「楽々ハイワイヤー誘引システム」の開発による施設栽培トマトの省力軽作業化

タイトル 「楽々ハイワイヤー誘引システム」の開発による施設栽培トマトの省力軽作業化
担当機関 群馬県園芸試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 施設栽培トマトの、つる下ろし作業を省力化できるハイワイヤー誘引システムを開発した。このシステムにより誘引・整枝などの管理作業の省力化が図れ、作業姿勢が向上する。また、収穫時間が短縮され、収量が増収する。
背景・ねらい 施設栽培トマトは、栽培期間が長期にわたるため、植物体を誘引線の高さに順次下ろす誘引・整枝作業に多大な労力を要し、長期どり栽培ではつる下ろし作業が169時間(総作業時間の約10%、「群馬の野菜」)を占めている。そこで、つる下ろしの半自動化を図るため、つるの上げ下げが簡単にできるハイワイヤー誘引システムを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発した誘引装置は、軒高4.5mのフェンローガラスハウス内に試作した。装置は、ガイドレールに沿ってモーターにより移動する可動レール、一方の端を固定した誘引線から構成され、モーターにより可動レールを動かすことにより垂直に誘引したトマトを横移動しながら上下できるようにした。ベットから可動レールまでは3.5m、誘引線の移動(上下)速度は28cm/minとした。
    この装置では、1台のモーターを動かすことにより、つる下ろしが可能であり、慣行栽培に対して約132時間の省力化が図れる(図2)。
  2. 各種作業の状態に合わせトマトを上下できること、植物体が重ならないことにより作業性が向上し、整枝・摘葉・ホルモン処理などの管理作業で約34時間の省力化が図れる(図2)。
    また、果実の収穫を腰の高さ程度で行えるため、楽な姿勢で収穫作業ができ、1果当たりの収穫時間が約0.9秒短縮される(図2、表1)。
  3. 収量は、ハイワイヤー誘引により3.5mの高さまで誘引することができ、受光体勢が向上し、つる下ろし作業が適期に無理なく行えるため、果実の肥大が良く、総収量が約33%増収し、さらにA品率が向上する(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本誘引システムは、ガイドレール一条に対して片端に、トマトを下げるスペースとして約5m程度が必要になる。
  2. 試作装置のコストは、モーター、滑車、レールなど、2ベット分(4条)、140株当たりで82万円(工事費除く)かかる。
図表1 215768-1.gif
図表2 215768-2.gif
図表3 215768-3.gif
図表4 215768-4.gif
カテゴリ コスト 施設栽培 省力化 トマト

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