イチゴの収穫同時パック詰めによる省力収穫調製法

タイトル イチゴの収穫同時パック詰めによる省力収穫調製法
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 イチゴの高設式養液栽培において、開発した平詰めパック及び予冷機能付き収穫台車を用い、採果と同時にパック詰めを行う省力収穫方式(収穫同時パック詰め方式)を開発した。本方式は、土耕栽培における慣行収穫調製方式に比べ、労働時間を45%省力化でき、また収穫調製時及び輸送中の果実損傷を大幅に軽減できる。
背景・ねらい イチゴ栽培は、10a当たりの労働時間が2,000時間以上と多く、この内収穫・パック詰めに要する時間が約50%を占めており、この収穫調製作業の省力化が急務となっている。一方近年、劣悪な作業姿勢の改善及び収穫作業の効率化を図るために高設式養液栽培が普及しつつある。そこで、高設式養液栽培における収穫調製作業の省力化をさらに推進するために、パック及び収穫台車等の周辺機器の開発を行い、収穫調製の省力化と果実品質の劣化を防止できる収穫方式を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 開発した収穫同時パック詰め方式(図1)は、①高設式養液栽培装置、②イチゴの形状に合わせた収納凹部を有する、階級別のパック(図2)、③収穫及びパック詰めの作業台となり、パック収納部に予冷機能を持った収穫台車(図3)を組み合わせている。作業は、①収穫台車内にドライアイスを入れ、ファンで冷気を循環させておく(収穫開始前)、②収穫台車作業台上にイチゴの各階級別のパックを置く、③果実を収穫し、階級別に適合するパックに詰める(階級分け)、④一杯になったパックは直ちに収穫台車の収納ボックス内にパックごと入れる、⑤収納ボックス内にパックが満載されたら台車から取り外し、別の収納ボックスを取り付ける、の5工程である。
  2. 本方式における一果当たりの収穫及びパック詰めに要する作業時間は、土耕栽培における慣行方式の55%、高設式養液栽培において従来の調製方式を用いた場合の62%となり、大幅な省力化が可能である(表1)。
  3. 本方式は、慣行方式と比べ果実に手が触れる回数が少ないこと、パック詰め時に果実相互の圧迫が生じないことから、収穫調製時の果実損傷を低減できる(図4)。また、果実形状に合った新型パックと、収穫中に品質低下防止を目的として行う炭酸ガス処理により、輸送中の果実の損傷を軽減できる(図5)。
成果の活用面・留意点
  1. 収穫台車に装着する収納ボックス(パック収納部)は、 1個当たり32パック入ることから、10a当たり6個必要となる。
  2. 果実10kgに対してドライアイス2kgを投入すると果実温度を13℃程度に低下できる。
図表1 215781-1.gif
図表2 215781-2.gif
図表3 215781-3.gif
図表4 215781-4.gif
図表5 215781-5.gif
図表6 215781-6.gif
カテゴリ いちご 省力化 輸送 養液栽培

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