タイトル |
ハクサイ黄化病耐病性品種「T741」の選定とその有効利用法 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター農業研究所 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ハクサイ品種T741は、黄芯で品質に優れ、ハクサイ黄化病に対して耐病性を有し、本病の少~中発生条件の圃場では、実用的な防除効果が得られる。
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背景・ねらい |
ハクサイ黄化病は、本県のハクサイ安定生産を図るうえで最も大きな障害であり、現地での防除対策は、主として各種土壌くん蒸剤を用いた土壌消毒が行われている。薬剤に偏重した防除を是正し、環境保全型農業を推進するために、耕種的、生物的防除手段を用いた黄化病防除技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 5年間にわたるハクサイ品種の黄化病耐病性検定(134品種・系統)で選定された新品種T741は、黄芯で球内色が濃く鮮やかである。形状にも優れ、生理障害(ゴマ症)の発生も少なく、品質は極めて優良である。また、T741はこれまでの普及品種新理想に比較して軟腐病や根こぶ病に対しても強い(表1)。
- T741と有用微生物根部エンドファイト(Heteroconium chaetospira)を用い、黄化病の発生程度が異なる現地圃場において防除効果の実用性を検討した。T741はいずれの圃場でも顕著な耐病性が認められ、特に少~中発生圃場では、外観上の黄化症状は極めて少なく、実用的な防除効果が得られる。エンドファイトの接種は黄化病の発病をさらに軽減し、維管束発病度は0.8~6.7とそれぞれの試験区で最も低くなった。しかし、甚発生圃場ではT741の発病が高まり、エンドファイトの接種効果も認められなかった(表2)。
- 11月下旬に現地圃場からT741の黄化病外観発病程度0~2(図1)の株を収穫し、出荷できるように外葉を除去(罹病株は見かけ健全となる)して段ボール箱に詰め、5日間貯蔵(平均気温6.5℃)した。本品種が罹病すると病徴の進展が早く、葉が剥離する(表3)ので、市場での品質低下が懸念される。黄化病少~中発生条件では、本品種と生物防除の組み合わせは防除効果を向上させる(表2)ので、品質保持にも有効である。
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成果の活用面・留意点 |
- T741は平成11年度より市販される。本品種は黄化病甚発生条件でもある程度の防除効果が期待できるが、罹病株の増加による品質低下を避けるために少~中発生条件の圃場に適用する。
- エンドファイトは、市販に至れば普及に移せる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
黄化症状
ごま
出荷調整
新品種
生物的防除
生理障害
耐病性品種
土壌くん蒸
土壌消毒
はくさい
品質保持
品種
防除
薬剤
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