根深ネギの5〜7月どりハウス栽培における品種、軟白資材及び温度管理法

タイトル 根深ネギの5〜7月どりハウス栽培における品種、軟白資材及び温度管理法
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 ハウス栽培による5月~7月どりに適する根深ネギの品種、軟白資材、温度管理法を明らかにした。品種は5月及び6月どりには「長悦」及び「いさお」、また、7月どりには「金長3号」が適する。土寄せに代わる軟白資材は発泡スチロール板が適し、ハウスの被覆は2重被覆とするがトンネルは不要である。昼温は35℃で管理することで抽だいを抑える。
背景・ねらい 栃木県のネギ栽培は面積が約500haで、主要な出荷期が8月~12月である。なかでも、県北産地では、ハウスを利用した根深ネギの栽培が行われ、周年栽培の技術確立が要望されている。そこで、根深ネギの端境期である5月~7月どりのハウス栽培における、品種、軟白資材、ハウス被覆法及び昼温管理法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 品種は、5月及び6月どりでは抽だいが少なく、低温伸長性に優れ、収量が多い「長悦」及び「いさお」、7月どりが葉鞘の伸長性が特に優れ、肥大及びしまりが良好である「金長3号」が適する(表1)。
  2. 土寄せに代わる軟白資材は、専用の発泡スチロール板が作業性及び葉鞘部との密着性が良いため、軟白部が長く、形状は曲がりがなく適する(表2)。
  3. ハウスの被覆法は、2重(ビニルハウス)ではトンネルを設置した3重(2重ハウス+トンネル)に比べ、厳寒期の最低気温で約2℃低くなったが、収穫時の生育及び収量においては大きな差がないことから、2重被覆で十分と考えられる(表3)。
  4. 昼温管理は、35℃にすることで花芽分化を抑制し抽だいが少なくなる。生育は、35℃が25℃に比べ葉鞘径がやや細くなるが、草丈及び葉鞘長は長く、可販収量が優れる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 「長悦」は収穫が遅れると葉鞘のしまりがやや不良になるので適期に収穫する。「いさお」は晩抽性が「長悦」に比べ若干劣るので「長悦」よりも早播きしない。「金長3号」は抽だいしやすいので7月収穫の作型で使用するのが良い。
  2. 発泡スチロール板(規格120cm×45cm)の設置は収穫の約40日前に実施し、専用のフックバンドで固定する。なお、複数年の使用に耐えるので、収納場所の確保が必要になる。
  3. 昼温の35℃管理は、花芽分化前から収穫まで実施する。
図表1 215790-1.gif
図表2 215790-2.gif
図表3 215790-3.gif
図表4 215790-4.gif
カテゴリ 温度管理 出荷調整 ねぎ 品種

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