トンネルを利用した夏ネギの早出し栽培法

タイトル トンネルを利用した夏ネギの早出し栽培法
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 一本ネギを5月下旬~6月に収穫するためには、連結ペーパーポットを用いて、10月20日前後に「長悦」を播種し、12月上~中旬に定植する。定植後3月下旬までトンネル被覆し、地温を確保することで花芽分化を抑制し、抽だいを回避できる。
背景・ねらい 千葉県においてネギは周年生産されているものの、5~6月どり栽培では抽だいが大きな問題となるため、分げつ性の坊主不知ネギの栽培が中心である。しかし、品質上の問題で市場や小売業者からは一本ネギの周年出荷が求められている。そこで、トンネル栽培におけるネギの花芽分化時期を解明するとともに、省力的である連結ペーパーポットと簡易移植機を用いた夏ネギの早出し栽培法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 晩抽性品種「長悦」を用いたトンネル栽培では、葉鞘径7~8mmの個体が2月下旬頃までに花芽分化する。多くの個体で葉鞘径が7~8mmに達する2月中に、地温10℃以下の積算時間を200時間以下に抑えることで抽だい率を5%程度に抑えることができる(図1、図2)。
  2. 播種日が早いほどトンネル被覆期間中にネギの生育が進み、抽だい率が高い傾向にある。10月20日前後に播種することで抽だいを回避でき、かつ5月下旬~6月上旬には3,000~
    4,000kg/10aの収量を得ることができる(表1)。
  3. トンネル被覆資材には、地温を確保しやすく安価な点を考慮すると、厚さ0.05mm、幅
    230cmの孔なしPO系フィルム(商品名:ベジタロンLX)が適する(表2)。
  4. 密閉状態でトンネル内気温が30℃以上となる2月中~下旬から孔換気を開始し、3月下旬にトンネルを除去する。
成果の活用面・留意点
  1. 定植後かん水や降雨にあてるなどして土壌水分を確保したうえで、2畦に対し1本トンネル被覆する。トンネル被覆時から換気フィルムを使用すると、生育が停滞するばかりか地温を確保しにくいため抽だい率も高くなる。
  2. 栽植本数は、5月下旬~6月上旬収穫では40本/m、6月中~下旬収穫では50本/mとし、条間は90cmとする。
  3. 一般の夏ネギ栽培に比べ、トンネルフィルム代として10a当たり約45,000円多く必要となる。
図表1 215791-1.gif
図表2 215791-2.gif
図表3 215791-3.gif
図表4 215791-4.gif
カテゴリ 栽培技術 出荷調整 ねぎ 播種 品種

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