タイトル |
無菌のキクを用いたキク白さび病菌の培養法と抵抗性検定への適用 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1994~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
雑菌の汚染を伴わずにキク白さび病菌だけを、培養容器内の無菌のキクに感染させ、以後無菌のキクに植え継いで維持、増殖することができる。この培養系を用いれば、実験室内でキクの本病に対する抵抗性の検定が可能である。
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背景・ねらい |
キク白さび病菌は純寄生菌で人工培地で培養できない。キクの本病菌に対する抵抗性を検定する場合には、病葉を吊り下げるなどの方法で接種するが、接種する時期が多発生時期に限定される。そこで、周年にわたって白さび病菌を維持、増殖し、抵抗性検定に利用することが可能な手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- キク白さび病菌は、プラントボックス内の無菌のキクで培養する。この培養系へのキク白さび病菌の持ち込みは、温室内で発病した罹病葉をプラントボックス内の無菌のキクに接触しないようにピンで固定して接種することにより行う。この方法では、カビやバクテリアで汚染される場合もあるが、キク白さび病菌だけを無菌のキクに感染させることができる(表1)。
- いったん無菌のキクに感染したキク白さび病菌は、無菌のキクで継代的に植え継ぎ、以後維持、増殖することができる。植え継ぐ方法としては、キクを培養中のプラントボックスに罹病株を混植し、プラントボックスごと垂直回転して、小生子を均一に落下させる方法が効率的である(表2)。罹病葉をプラントボックスの蓋に張り付けて小生子を落下させてもよい(データ略)。
- 本法で培養したキク白さび病菌を、無菌のキクの切り離した個葉に接種する方法で、キクの白さび病に対する抵抗性が検定できる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 無菌のキクに接種する白さび病の罹病葉は、雑菌の汚染を回避するためできるだけきれいな環境で栽培されたものを用いる。
- 無菌のキクに感染したキク白さび病菌は、20℃で約1か月は感染能力を保持するが、低温条件下での長期保存は未検討である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
きく
抵抗性
抵抗性検定
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