タイトル |
傾斜地、法面植栽に適したグラウンドカバープランツの選定と植栽法 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
傾斜地、法面の保護・緑化に適したグラウンドカバープランツとして早期被覆ができ、景観形成能力の高い7種を選定した。これら有望種について、効率的な繁殖法及び適正な栽培用土や、地表面の早期被覆と高いエロージョン防止効果が期待できる植栽密度を明らかにした。
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背景・ねらい |
カバープランツを中山間地域の傾斜地、法面に植栽することにより、土壌浸食の防止、雑草発生の抑制等の環境保全機能が期待されているが、多種のカバープランツについて、有効な種類とその特性等は明らかとなっていない。 そこで、早期被覆効果が期待でき、景観形成能力の高いカバープランツの選定を行い、その効率的増殖、養成法等を明らかにし、現地における植栽方法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- カバープランツ28種類を被覆面積増加比、株数増加比、被覆率及び景観形成能力など総合評価すれば、アークトセカ、コグマザサ、セキショウ、ビンカ・マジョール、フッキソウ、へデラ・カナリエンシス、リュウノヒゲの7種が有望である(表1.有望種以外データ省略)。
- アークトセカ、リュウノヒゲ、セキショウは株分け法、コグマザサは地下茎細断法、ビンカ・マジョール、フッキソウ、ヘデラ・カナリエンシスは挿し木法により増殖が可能である(表2)。
- 生育促進を図るための最適な基土として、コグマザサは黒ボク、フッキソウは黒ボク又は山砂、ヘデラ・カナリエンシスは黒ボク又は赤土である。アークトセカ、セキショウ、ビンカ・マジョール、リュウノヒゲは比較的土壌の種類を選ばない(表2)。
- 早期に地表面を被覆する種類は、エロージョン防止効果が高い傾向である(表3)。
- 被覆率の時期別推移から被覆タイプを分類すると、冬期低下急速回復型はアークトセカ、冬期低下緩慢回復型はセキショウ、ビンカ・マジョール、冬期安定漸増型はリュウノヒゲ、ヘデラ・カナリエンシス、コグマザサ、フッキソウとなる(図1)。
- 施工面での経済的な最適植栽密度はアークトセカが10株/m2、その他の種類は20株/m2以上必要である(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ジオテキスタイル等との組み合わせにより、中山間地帯の傾斜地、法面保護効果が増し、景観性向上が図れる。
- 生育特性調査は三重県北勢地域の気象条件下によるもので、地域により生育、特に越冬性が異なると予想される。
- 選定した種類の中でアークトセカ、コグマザサ、ビンカ・マジョールが安価である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
傾斜地
挿し木
雑草
中山間地域
繁殖性改善
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