タイトル |
マイクロ波を照射し、γ-アミノ酪酸含有量を高めた茶の開発とその製造法 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所津久井試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
背景・ねらい |
当試験場では、茶粗揉機の火炉より発生する熱風を利用した方法や生葉を攪拌しながら赤外線を照射する方法により、GABA含有量を増加させ、付加価値を持った半発酵茶の開発を行ってきた。 さらに、その他の方法によるGABA増加法の検討を行ったところ、マイクロ波を生葉に照射することで、GABA含有量が1.70mg/g以上となる茶の製造法を開発した。
|
成果の内容・特徴 |
- この茶の製造方法は、摘採後の生葉をマイクロ波照射装置(新日本無線:NJE2407型)に10分~20分間投入(表1)した後、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥を行うものである(図1)。
- GABA含有量は、一番茶では1.70mg/g~2.02mg/gであり、二番茶では0.86mg/g~1.14mg/gである(図2)。また、テアニンやグルタミン等のアミノ酸含有量は、緑茶と同程度に含まれる。
- このマイクロ波照射による茶の色及び水色は、橙色~黄色であり、半発酵茶に近い。
- マイクロ波照射茶の官能審査結果は、一番茶及び二番茶ともに、出力0.3KWのものが合計点が高く、出力0.5KWのものが合計点が低い(表1)。
- マイクロ波の出力及び照射時間は、GABA含有量と荒茶官能審査結果を考慮すると0.3KW~0.4KW(照射時間はともに20分)が最適である。
- 茶生葉にマイクロ波を照射して製造を行う本方法は、茶葉中のGABA含有量を1.7mg/g~2.0mg/g程度に高めることのできる新しい製茶方法である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 血圧上昇抑制作用を示すGABAを含んだ茶として活用する。
- 本方法により製造を行った茶の血圧上昇抑制作用については、検討が必要である。
- 本試験では、マイクロ波照射時の生葉重量は1kgで行った。したがって、これ以外の生葉重量で製造を行う場合は、マイクロ波出力及び照射時間等を別に検討する必要がある。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
乾燥
茶
|