タイトル | 競争的PCR法によるカイコ核多角体病ウイルスの定量 |
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担当機関 | 埼玉県農業試験場 |
研究期間 | 1998~1999 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1998 |
要約 | DNAコンペティターを用いたPCR法により、蚕糞,蚕沙に混入したカイコ核多角体病ウイルスを発見できるとともに、感染蚕数を正確に推定できる。 |
背景・ねらい | 稚蚕期の蚕病集団検査における被害予測を行うため、核多角体病蚕を混入したモデル蚕座において競争的PCR法を用いて大量かつ簡易に蚕の飼育残沙から核多角体病ウイルス量を定量する方法を開発し、蚕座の汚染状況調査法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1Competitor construction kit(TaKaRa社)を用いてλDNAをテンプレートとし、プライマ-NP3(5'-CGTACTTACGTGTACGACAA-3'),NP4(5'-TCGAACGAGTTGGTGTACTC-3')で増幅する440bpのDNAコンペティターを作成した(図1)。 2核多角体の種々の濃度のDNAコンペティターをPCR反応液中に入れ、PCRを行うと、多角体の濃度差に比例してPCR産物が生産される(図2)。 3反復回数35回でPCRを行った場合、定量範囲は核多角体4.16×101個から4.16×105個相当のDNA数であり外部標準物質を用いた定量法と比べ約10倍高感度となる(図3)。 42齢及び3齢の核多角体病DNA数と病蚕数の間には比例関係が認められ(図4)、試料中に何頭相当の核多角体病ウイルス感染蚕が存在するか推定することが可能である。 5外部標準物質を用いて定量を行う方法では1試料を定量するために24から30本のPCRチューブを要したが、本法では4から6本で可能となり、簡易かつ大量に定量することが可能で省力化が図られる。 |
成果の活用面・留意点 | 12齢蚕10,000頭中に1頭の割合でカイコ核多角体病感染蚕が存在しても検出が可能である。 2本法で定量して得た蚕座中の核多角体病蚕数と核多角体病蚕混入による被害推定式とを関連させることにより、核多角体病ウイルスによる被害を簡易に推定できる。 3外部標準物質を用いた定量法は平成9年度研究成果情報を参照 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | カイコ 省力化 |