キボシカミキリ誘引物質の生物検定法の改良

タイトル キボシカミキリ誘引物質の生物検定法の改良
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 キボシカミキリ成虫の誘引物質の生物検定法は、線形通路付嗅覚計の改良型と、絶食させた成虫または羽化直後の成虫を用いる方法が有効である。
背景・ねらい 桑やイチジクの樹幹を加害するキボシカミキリの被害が近年増大しているが、有効な防除手段がない。一方、種々の原因で樹勢の低下した桑樹に対して、キボシカミキリが選択的に誘引され、産卵する現象が知られている。そこで、キボシカミキリの総合防除法の確立を目的に、桑樹由来のキボシカミキリ誘引物質の簡易な生物検定法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 線形通路付嗅覚計(佐久間式)をモデルにして、全長50cm、高さ18cm、総アクリル製のキボシカミキリ誘引物質生物検定装置を作成した。この装置の中央下部の容器にキボシカミキリ成虫1頭を入れ、さらに左右の口に検定物質の入った容器を取り付け、0.5~1.0l/分の流量で吸引する。供試虫を登らせて分岐点へ導き、この部分で左右からの匂いを選択させることにより、誘引物質の生物検定が可能である(図1)。
  2. 飽食状態の成虫を供試した場合、移動しない個体が多くなり、誘引物質の検定は不可能である。しかし2~3日間絶食させた個体、または羽化直後の個体を用いることにより、試料側に移動する個体が多くなり、桑根などに含まれる誘引物質の生物検定が可能となる(表1)。
  3. 供試虫の性別は、生物検定結果にほとんど影響しない。さらに、一個体当たりの検定時間は5分で充分である(表2)。なお、生物検定は全暗条件下で実施するのが望ましい。
  4. 桑根の水蒸気蒸留物及びn-ヘキサン抽出物中には、キボシカミキリ成虫に対する誘引物質が含まれている(表1、表2)。
成果の活用面・留意点 ・生物検定の前に、大量の成虫を用意する必要がある。
・今後は、この手法を用いてキボシカミキリ誘引物質の単離・同定を進め、キボシカミキリの総合防除に活用する。
図表1 215844-1.gif
図表2 215844-2.gif
図表3 215844-3.gif
カテゴリ 病害虫 いちじく 生物検定法 防除

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