タイトル |
圃場条件改善による稲作の規模拡大効果 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
圃場条件を水利・地耐力条件をも考慮した区画の大きさ、圃場までの通作距離、団地の大きさ、団地内での圃場の連担性とし、この着目から規模拡大に効果的な圃場条件改善手順を分析すると、零細区画の解消、大区画化、圃場集積の順となる。
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背景・ねらい |
稲作の規模拡大を進めていく上で圃場の零細分散錯圃が問題となっているが、それに伴う非効率がどの程度であるのかは明らかでない。そこで、圃場条件の多様性(区画の大きさ、通作距離、団地の大きさ、圃場の連担性)が作業効率に与える影響を分析し、その改善が規模拡大に与える効果を定量的に明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 線形計画法により、労力(4人)、圃場条件の影響を受けない機械施設装備、品種構成を所与として、圃場条件(労働時間)のみを変化させ、それが水稲作付面積に及ぼす影響をシミュレーションし、圃場条件の改善が規模拡大に与える効果を定量化した。
- 規模拡大に対する圃場条件改善効果の最も高いものは、 0.1ha区画から0.3ha区画に基盤整備した場合(零細な区画の解消)であり、ついで、 0.3haから1.0haに整備した場合(大区画化)、平均通作距離を7km圏から2km圏に移した場合(圃場集積)である。(表1)
- 零細分散錯圃の状態に対して、地元への圃場の集積と大区画基盤整備を図ることで、作付け可能な水稲面積を約3倍に拡大する事が可能となる(図1、表1)。
- 経営者が圃場条件の改善を通して規模拡大を進めていく主要な手順としては以下の方法が考えられる(図1、表1)。
a 土地利用調整(交換耕作)により、地元に圃場を集積し、規模拡大を進める。さらに可能であれば、基盤整備を実施する、あるいは地域にその推進を働きかける(図1、ルートA,B,C,D)。 b 遠隔地であっても圃場基盤の整った地域で作業単位が確保できるよう圃場を集積し、規模拡大を図る(図1、ルートE,F)。
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成果の活用面・留意点 |
- 千葉県下の事例の圃場条件調査結果を前提に試算したものであり、また、労働力条件や品種構成等は所与として試算していることに留意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
規模拡大
経営管理
水稲
品種
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