タイトル |
イチゴ大果系品種「さちのか」平詰めパックの市場性評価 |
担当機関 |
神奈川県 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
イチゴ大果系品種「さちのか」について、品種及び平詰めパックの市場性を調査した結果、「さちのか」は卸売市場セリ人、生産農家、消費者の評価はおおむね良好で市場出荷、直売、宅配便産直のいずれにも適する品種であり、平詰めパックについても大果系イチゴの1つの包装形態として市場性が認められた。
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背景・ねらい |
イチゴの生産では、収穫・選別・パック詰め作業が最も労働時間を要するので、省力化のため、大果生産と簡単にパック詰め出来るパック形態に期待が高まっている。現在、神奈川県の普及品種である「女峰」は、大果のものは詰める手間のかからない「平詰めパック」を用い、スーパ-15規格品として一部流通しているが、大果の出荷割合が低いことから、一般化されていない。1996年8月に品種登録された大果系品種「さちのか」は、大果の出荷割合が高いことから平詰めパック流通に適すると考えられるが、市場性については不明で、生産者はそのリスクから平詰めパックの使用に不安を感じている。そこで「さちのか」を用い、「平詰めパック」で試験的に出荷・販売しその市場性について評価する。
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成果の内容・特徴 |
- 「さちのか」は「女峰」「鬼怒甘」と比較した場合、市場評価の高いスーパーデラックス 「以下SDという。」 規格(平詰めパック)及び2L規格(段詰めパック)の販売割合が高い。(表1)
- 「さちのか」の旬別出荷量を調査した結果、SD(15)規格(平詰めパック)の出荷量は12月下旬及び1月上旬に集中し、2L規格(段詰めパック)は1月上旬に集中した。また、販売単価の調査結果では、SD(15)規格の卸売価格は12月下旬から3月上までは、1パック当たり 700円前後と堅調に推移し、3月中旬にピークを迎え 800円近くの値を付けた。(図1)
- 卸売市場セリ人及び生産者から平詰めパックについて、聞き取り調査を行った結果では、生産者から「作業能率が良い。」「従来は大果のため、A品扱いになっていた品がSD規格で出荷出来るので良い。」などおおむね良好な評価が得られた。(表2)
- 「さちのか」を購入した消費者にアンケート用紙を配布し、食後の感想を記入してもらい回収した結果では、味については、「甘み」と「香り」が良いとの評価が多く、これを受けて総合評価としての「美味しさ」でも良いとする者が多かった。
- 平詰めパックに対する消費者の評価では、「商品が見えやすくて良い」とする回答が最も多く、次いで「高級感がある」との回答が多かった。
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成果の活用面・留意点 |
- 「さちのか」は初期収量がやや少ないこと、収穫開始時期が1週間程度遅いこと等を考慮し、販売計画を作成する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
いちご
出荷調整
省力化
せり
品種
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