タイトル |
タラノキ立枯疫病を回避した栽培技術による収益性 |
担当機関 |
山梨県総合農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
タラノキ立枯疫病耐病性系統「蔵王2号」を導入し、防除対策を行うことで立枯疫病の被害回避が可能になった。その結果、植え付け2年目から4年間での10a当たり収量は170kg、農業所得は208千円に向上するものと推計された。
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背景・ねらい |
当試験場では平成6年度から10年度にかけて、タラノキ立枯疫病の被害回避を主な目的とした新しい栽培技術を開発し実証試験を行った。その結果から、今回の技術に必要な労働時間や収益性のデータを試算し、新規導入時の目安とする。
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成果の内容・特徴 |
- 慣行栽培に使用されているタラノキの系統「新駒」を用いた栽培技術では、タラノキ立枯疫病の被害を受けた場合には収量が年々減少し、4年目には収穫が皆無となっていた。一方、耐病性系統「蔵王2号」を使用した新しい技術では、耕種的防除と薬剤散布を組み合わせた総合防除を用いることにより、タラノキ立枯疫病の被害を完全に回避することが可能になった。また、「蔵王2号」の特性に合わせてふかし促成の温度管理を低温で行うことにより、1芽の重量が重くなるとともに、ふかしに伴う腐敗症状などが発生しにくくなるため、商品化率も向上した。その結果、虫害などタラノキ立枯疫病以外の被害による減収はあるものの、「蔵王2号」による2~5年目の平均収量は10a当たり170kgが見込まれる。(表1)
- 両者の収益性を比較すると、新技術では防除のための農薬費が増加するが、栽植密度の減少に伴う種苗費やふかし促成にかかる電気代は若干減少するため、10a当たり農業所得が平均で208千円となる。一方、慣行技術では4年目以降は収穫が皆無となるため種苗費などの負担が大きくなり、10a当たりの平均所得は33千円であった。(表2)
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成果の活用面・留意点 |
今回の試算は、同一圃場の使用による立枯疫病の発生や、樹勢の低下による収穫量の減少を避けるため、5年周期での輪作を前提条件とした。また、使用した数値のうち1~3年目のデータは実証試験の結果に基づく実測値であるが、4~5年目のデータについては試算値である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
温度管理
栽培技術
たらのき
農薬
防除
薬剤
輪作
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