大規模キャベツ栽培機械化一貫体系のための簡便な経営試算手法

タイトル 大規模キャベツ栽培機械化一貫体系のための簡便な経営試算手法
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 冬キャベツを基幹とした露地野菜作経営において労働配分を考慮した経営試算がパソコンを利用して簡便にできる。規模別の経営モデルを策定したり、規模拡大と機械の装備、雇用導入などの計画策定に利用でき、経営改善の支援に有用である。
背景・ねらい 冬キャベツを基幹とした露地野菜作経営では、機械化の推進と規模拡大が進められている。これを支援するため、栽培規模と機械装備の差による労働の配分状況と経営収支が把握でき、経営内外の条件の変動に対する経営試算の修正が簡便にできる手法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 経営試算の前提条件と構成
    1)使用ソフト:パソコン用表計算ソフト(Lotus1・2・3 '98)。
    2)想定している露地野菜作経営:労働力は経営主夫婦と補助者から成る3人の家族労働力と必要に応じて雇用導入。栽培品目は10~5月収穫のキャベツ(6作型)と、裏作にスィートコーン(トンネル、マルチの2作型)を栽培し、キャベツは10kg箱、スィートコーンは5kg箱満杯詰めでの市場販売。キャベツはコンテナ利用による加工向け販売の設定も可能。
    3)4ha規模でセル成形苗、6ha規模で乗用管理機と管理作業アタッチメント、8haで全自動収穫機を導入した規模別の機械装備標準モデルを設定し、減価償却費、修繕費、作業別労働時間を算出する。全自動収穫機は、任意に利用の有無を設定できる。
    4)栽植密度、商品化率(栽培管理・収穫上のロス)、階級発生率を任意に入力し、市場販売時の平均単価と加工向け単価を設定し、キャベツの粗収益を算出する。
    5)気象データの降水量と日長から月別に作業可能日数と1日当たり最大作業時間を設定し、時期別の労働に対する制限を加えた。
    6)入力項目以外でも数量的な設定条件は任意に変更することができる。
  2. 試算結果の表示
    1)経営収支:販売数量、農業所得、家族労働時間と時間当たり家族労働報酬。
    2)シミュレーション:経営試算の設定値に対して、平均単価が箱当たりプラスマイナス100円まで50円刻みの4段階、出荷経費がマイナス100円まで25円刻みの4段階、商品化率がプラスマイナス6%まで3%刻みの4段階、それぞれに変動した場合の農業所得、家族労働報酬と所得率を算出(図1)。
    3)グラフ:作型別労働時間の旬別分布、作業従事者個別の旬別労働配分と被雇用者の旬別必要人数(図2)。
  3. 経営試算の修正:試算結果に応じた入力条件の変更で、経営試算の修正が自動的に実施される。
成果の活用面・留意点
  1. 規模別の経営モデルを策定したり、機械化体系の整備による経営試算等に利用できる。
  2. 簡易言語(関数)の利用により、他要因の付け足しや他部門への応用が容易である。
  3. 一部に本ソフト専用の関数が使用してあり、他表計算ソフトへの対応には注意する。
  4. マニュアルを整備次第、研究・指導機関に無料頒布可能。
図表1 215861-1.gif
図表2 215861-2.gif
カテゴリ 加工 機械化 機械化体系 規模拡大 キャベツ 経営管理 経営モデル 栽培技術 収穫機 出荷調整

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