タイトル |
小売業者における花き産地の評価 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
三重県内および名古屋市内の園芸店・生花店における花き(鉢もの・花壇用苗もの)の評価基準と重要度についてAHPの計算を利用した一対比較法を用い分析した。その結果、「品質の良さ」が最も重視され、その傾向は園芸店、生花店の規模別においてもほぼ同様の傾向を示している。
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背景・ねらい |
花き生産は近年の景気後退・低迷の影響を受け消費が伸び悩んでいるとともに、花きに対するニーズが変化してきていると考えられる。そこで、鉢もの・花壇用苗ものについて消費者のニーズに直接影響を受ける小売店(三重県内の生花店、園芸店および名古屋市内の園芸店)の花き仕入れ時の評価基準重要度をAHPの計算を利用した一対比較法により分析し、今後の花き産地の対応方向を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 園芸店、生花店ともに第2レベルの重要度では「品質の良さ」、「価格」、「仕入れ数量」の順となり、いずれの項目においても園芸店と生花店との重要度の差は少ない。また、第3レベルでみると、園芸店は「傷み・病虫害がない」、「値ごろ感がある」、「新鮮・花もちが良い」、「継続・安定した仕入れができる」等の項目を重視しているが、生花店は「値ごろ感」を重視している(図1)。
- 小売店を年間花き取扱高(小規模:2千万円未満、中規模:2千万円以上1億円未満、大規模:1億円以上)で分類すると、園芸店では大規模園芸店の第3レベル項目の「傷み・病虫害」、「値ごろ感」の重要度が高くなっている(図2)。また、生花店では小規模生花店が第2レベルの「価格」を重要視しており、第3レベルでは小規模生花店、大規模生花店が「値ごろ感」を重要視している(図3)。
- 今後の方向性の調査では、園芸店は花壇用苗ものの取り扱いを、生花店は鉢ものの取り扱いを重視しているとともに、小規模園芸店、中規模園芸店は市場経由の仕入れ、大規模園芸店は産地契約(農家から直接)の仕入れを重視している。
- 以上のことから、花き生産者は「品質」の高い花きを生産することを目指さなければならないが、同時に「値ごろ感」が創出されるような生産も必要であろう。また、「継続・安定性のある」生産を目指すことも重要となってくる。
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成果の活用面・留意点 |
三重県内・名古屋市内の花き小売店を対象としたものであり、今後他地域の調査を行い地域特性なども検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
評価基準
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