タイトル |
直売用切り花類の栽培圃場に発生する病害 |
担当機関 |
東京都農業試験場環境部病理昆虫研究室 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
直売用切り花類の生産圃場において発生病害を調査し,病原体の究明を行った。その結果,59種の切り花類に,新病害30を含む106病害の発生を確認し,特に数種の土壌病害が主な生産阻害要因となっていることが明らかとなった。
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背景・ねらい |
東京都では生産圃場と住宅地が隣接する利便性を生かして,切り花類の庭先売り,摘み取り園などによる直売が増加している。直売花きは,消費者のニーズに応えるため,同一圃場に新規品目を含め多種類が栽培される。しかし,わが国においては花き類病害の記録は十分とはいえない。そこで,直売切り花類の生産上問題となっている発生病害について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 調査方法
1994~98年に月1回程度,10地区の10の生産圃場の切り花類について調査し,病害の発生状況・病徴を記録した。罹病植物を採集し,常法により病原菌を分離し,同定を行うとともに,本邦未記録病害については,病徴再現のため接種試験を行った。
- 調査結果
切り花類21科59種に合計106病害の発生を確認した(表1)。これらのうち,17病害については,新病害として報告して病名を登録した。また13病害についても新たに病名提案を行う予定である。 発生病害は当該圃場での花き導入前の栽培歴との関連が深い。とくにウド,ナスなどの野菜が前作であった圃場では半身萎凋病,果樹が前作であった圃場では白紋羽病が,それぞれ花き類においても生育阻害要因となることが認められた。
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成果の活用面・留意点 |
直売用切り花類の作付,導入にあたり,品目の種類や圃場の栽培歴から発生病害が予測でき,適切な防除指導が可能となる。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
うど
なす
防除
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