タイトル |
ヤマノイモモザイクウイルスは海外のyam mosaic |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
ヤマノイモモザイクウイルス(Japanese yam mosaic virus)はその塩基配列およびゲノム構造解析から、ポチウイルス属に特有の構造を有しているが、塩基およびアミノ酸配列の相同性の低さから、これまで同一種とされてきたyam mosaic virusとは別種のポチウイルスである。
|
背景・ねらい |
ヤマノイモモザイクウイルスはヤマノイモ栽培に大きな被害を与えている。従来、本ウイルスは海外のヤマノイモ類に発生しているyam mosaic virus(YMV)と同一種とされていたが、宿主範囲に違いがあり、YMVとは異なるウイルスである可能性が高い。そこで、本ウイルスの塩基配列およびゲノム構造の解析を行い、本ウイルスとYMVとの異同を検討する。
|
成果の内容・特徴 |
- ヤマノイモモザイクウイルスのゲノム(RNA)の塩基配列は、3'末端のポリA配列を除き9,757塩基からなり、3,130アミノ酸からなる一つの長い読みとり枠(ORF)からなるポリプロテインをコードしている。
- 本ウイルスはそのゲノム構造からポチウイルス属に分類され、他のポチウイルスと同様の機能を持つ11種のタンパクをコードしている(図1)。
- 本ウイルスとYMVを含む15種類のポチウイルスとの塩基およびアミノ酸配列の相同性を比較したところ、いずれも相同性は低い(表1)。
- ヤマノイモモザイクウイルスは今までに報告例のない遺伝子構造を持ち、海外で報告されているYMVとは別種のポチウイルスとすべきである。
|
成果の活用面・留意点 |
- ヤマノイモモザイクウイルスの英名をJapanese yam mosaic virusとすることを国際ウイルス分類委員会に提唱中である。
- 決定した塩基配列は遺伝子診断法に利用できる。
- 解明された遺伝子は、ウイルス抵抗性ヤマノイモの作出に利用可能である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
カテゴリ |
抵抗性
やまのいも
|