タイトル |
非病原性フザリウム菌によるロックウール栽培トマトにおける根腐萎凋病の防除 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
非病原性フザリウム菌をトマトのロックウール栽培において育苗期に接種すると根腐萎凋病に対し高い発病軽減効果が認められる。
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背景・ねらい |
施設栽培トマトでは抑制栽培を中心に根腐萎凋病が発生し大きな被害をもたらしている。それを回避するために導入されたロックウール栽培においても本病の発生が認められている。そこで、難防除病害である本病に対して安定した防除効果を得るために非原性フザリウム菌を利用した生物防除技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 非病原性フザリウム菌(島根大学分譲F13菌、以下NPFという)を供試し、ロックウール栽培で「ハウス桃太郎」を8月下旬播種、9月中旬定植の抑制栽培で試験を行った。
- NPFは播種時に播種用キューブに1.4×10の6乗bud-cells/立方平方センチメートルの密度になるように接種し、播種8日後に仮植用キューブに1.5×10の4乗、1.5×10の5乗、1.5×10の6乗bud-cells/立方平方センチメートルの密度になるようにそれぞれ接種した。病原菌は各処理とも定植2日後に仮植用キューブに1.4×10の5乗bud-cells/立方平方センチメートルの密度になるように接種した。
- NPF接種により無接種に比べ発病の時期は遅く、緩やかに進展し、発病度は低かった。なかでも仮植時に1.5×10の6乗bud-cells/立方平方センチメートルの密度で接種すると効果が高かった(図1)。
- トマトの第1~6段果房の総収量はNPF接種により無接種に比較し1.6~2.0倍となった(図2)。
- ロックウールキューブに接種されたNPFは、仮植時の接種菌密度の1/10~1/100のレベルで長期間(定植後92日間)にわたり安定して検出された(図3)。
- NPF接種によりトマトの初期生育は抑制された。仮植時に1.5×10の6乗bud-cells/立方平方センチメートルで接種するとその傾向が著しかった。しかし、播種50日以降ではNPF接種と無接種の間に生育の差は認められなかった(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
現地での実用化のためには、NPFの大量培養や効率的な接種方法など利用に向けた技術の改善が必要である。また、NPFの特性を維持する管理技術の開発が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
管理技術
栽培技術
施設栽培
トマト
播種
防除
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