タイトル |
被覆資材利用によるミカンキイロアザミウマの侵入抑制 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ミカンキイロアザミウマ成虫の施設内への侵入抑制には、目合い 1.0mm以下の防虫ネットやアルミ蒸着フィルム混紡ネットによる開口部被覆及び紫外線カットフィルムの全面被覆が効果が高い。
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背景・ねらい |
愛知県では1993年の春頃から、バラ、キク、イチゴ等でミカンキイロアザミウマによる被害が多くなっている。本種は寄主範囲が広いうえに、多くの薬剤に対して感受性が低く、また、登録薬剤が少ないため難防除害虫となっている。そこで薬剤以外の防除法として、防虫ネット、アルミ蒸着フィルム混紡ネット及び紫外線カットフィルム被覆により成虫の侵入抑制を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 施設開口部の防虫ネット及びアルミ蒸着フィルム混紡ネット被覆は、成虫の施設内への侵入を効率的に抑制することができ、その効果は防虫ネットの目合い 1.0mm以下、アルミ蒸着フィルム混紡ネットの目合い1mm×10mmで高い(表1)。
- イチゴ栽培施設における開口部の防虫ネット(目合い 1.0mm)被覆は、成幼虫の花への寄生を無被覆の半数程度に抑える(表2)。
- 紫外線カットフィルムの全面被覆は、成虫の施設内への侵入を効率的に抑制することができ、その効果は被覆17日後の成虫寄生数を一般農業用ビニールの1/3~1/5に抑える(表3)。
- 開口部の防虫ネット(目合い 1.0mm)被覆は、施設内の温度を無被覆に比べ、4月~6月の時期に平均で1~2℃上昇させる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 紫外線カットフィルムは、ミツバチの訪花行動に悪影響を及ぼしたり、ナス果実の色づきや、花きでは紫~桃色の花色の品種で発色を悪くさせるので、これらの栽培施設では使用できない。
- 開口部の防虫ネット被覆は、施設内の温度を上昇させるので、開口部を多めにとるなど換気に気をつける。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
いちご
害虫
きく
なす
ばら
品種
防除
ミツバチ
薬剤
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