タイトル |
麦あと湛直水稲におけるイチモンジセセリの発生特性 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
麦あと湛直水稲栽培でのイチモンジセセリ(イネツトムシ)第2世代幼虫の発生量は同時期の移植水稲に比較して多く、6月上旬(大麦あと)より6月下旬(小麦あと)では更に多い。実測孵化日は、湛直栽培などの多発圃場ほど積算温度モデルでの推定孵化日と一致する。
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背景・ねらい |
本種の第2世代幼虫は移植時期の遅いイネで多発し、埼玉では6月中旬以降の移植イネで多発する傾向がある。麦あと湛水直播は、米麦二毛作での作業競合の回避と低コスト・省力技術として今後の拡大が予想される。一般に発育段階の遅いイネで多発傾向にあるイチモンジセセリは、麦あと湛直では特に注意が必要と推定されることから、その発生特性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 大麦あと栽培(6月5~8日に湛直と移植)の3品種、並びに小麦あと栽培(6月23~25日に湛直と移植)とも湛直栽培で多発傾向となり、小麦あと湛直ではさらに発生しやすい(図1)。
- 大麦あとにおける3品種比較では、移植栽培では「彩の夢」が最も多発し、次いで「朝の光」、「彩の華」の順に少発の傾向である。湛直栽培では変動が大きく、品種間差は明らかでない(図2)。
- 圃場別の幼虫の平均孵化日は、少発圃場ほどモデルからの推定孵化日との誤差が生じやすいのに対し、湛直栽培のような多発圃場ではモデルからの推定日と比較的一致する(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 湛直栽培では、害虫発生の特性としてイチモンジセセリに注意する。
- 防除に当たっては、気象情報を活用して有効積算温度から平均孵化日を推定し、その4~7日後に水田内で第2世代幼虫の発生状況を調査して防除要否を判断する。防除の必要な場合には、推定した平均孵化日の4~10日後に薬剤を散布する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
大麦
害虫
小麦
水田
水稲
低コスト
二毛作
品種
防除
薬剤
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