タイトル |
全量有機質肥料(乾燥鶏糞・大豆粕)による早期栽培コシヒカリの施肥技術 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1998 |
要約 |
早期栽培コシヒカリにおいて、乾燥鶏糞と大豆粕の全量有機質肥料の施用によって化成肥料による慣行と同等の収量が得られる。基肥窒素は、大豆粕では化成より1kg/10a増肥、乾燥鶏糞では化成並に施用し、穂肥窒素は出穂30日前に乾燥鶏糞を用いて化成より窒素1kg/10a増肥する。
|
背景・ねらい |
有機質肥料による水稲の施肥管理技術が求められているが、有機質肥料の窒素溶出特性は必ずしも明らかではない。そこで、有機質肥料の窒素溶出特性を明らかにして合理的な施肥法を確立しようとする。
|
成果の内容・特徴 |
- 乾燥鶏糞(N6%、火力乾燥)と大豆粕(同7%)の湛水土壌中での窒素溶出特性を反応速度論から求めた。乾燥鶏糞の窒素溶出は初期の立上がりが早かった。大豆粕は初期に窒素が有機化し溶出は遅いが、最終的な溶出率は乾燥鶏糞より高い値であった。穂肥時期(7/20)を起点とした溶出は、平衡に達するまで鶏糞で約10日、大豆粕で約30日かかった。
- 乾燥鶏糞は生育初期のN吸収量が高く化成と同量の施肥窒素量で化成並の窒素吸収量が得られた。大豆粕は明らかに初期溶出が遅く、窒素量を化成より1kg/10a増加することによりほぼ化成と同じ窒素吸収経過となった。
- 鶏糞、大豆粕の穂肥施用時期を出穂前30日とすることで、慣行穂肥施用時期の出穂前18日施用より収量が高まった。しかし、両肥料とも化成より出穂期の窒素吸収量、収量が劣る。
- 基肥は乾燥鶏糞は化成と同量、大豆粕は窒素として1kg/10a増肥する。穂肥は乾燥鶏糞を用いて出穂30日前施用とし、化成より1kg/10a増肥する。
|
成果の活用面・留意点 |
- 資材の窒素含量を把握する。保証値がある場合でも値は下限値であるので正確に確認すべきである。
- 化成肥料の施肥量が基準となるため各圃場の慣行量を把握する。
- 本法は早期栽培のコシヒカリを対象にしている。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
土づくり
肥料
乾燥
管理技術
水稲
施肥
大豆粕
鶏
|