アオサ(海草)の有効利用技術としての堆肥化法

タイトル アオサ(海草)の有効利用技術としての堆肥化法
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1998
要約 海草の一種であるアオサは、そのまま畑にすき込むこともできるが、作物の初期生育が抑制される。水洗アオサと剪定屑を重量で等量混合し堆積することにより、堆肥化が可能であり、作物生育も良好になるので農業利用が可能になる。
背景・ねらい アオサの異常発生による、環境の悪化が横浜市の人工海岸などで問題になっている。横浜市では1996年からアオサの回収作業を行っているが、回収したアオサの有効利用方法は確立されていないため、農業利用の技術開発が強く望まれている。一方、横浜市では街路樹剪定屑の堆肥化が実用化している。そこでアオサと剪定屑を混合し堆肥化する方法を検討した。
成果の内容・特徴 1)海岸から採取したアオサ生鮮物を水洗し、10aあたり5t相当量を露地畑に溝状にすき込んだ。キャベツ、スイートコーン、ダイコンを連続して栽培した結果、1作目のキャベツではアオサの分解に伴う生育抑制が生じたが、2作目では肥料効果が現れ増収した(表1)。このことは、生アオサは生育初期には障害をもたらすが、土壌中で一定期間を経過すると、肥効を発現することを示している。
2)堆肥化条件を検討するために、通気装置付き80L容試験発酵装置でアオサの堆肥化条件を検討したところ、容積で半量(重量比で等量)以上の剪定屑を混合すると発酵が良好に進んだ(表2)。
3)アオサ堆肥化物を用いてコマツナのポット栽培試験を行なった。コマツナの生育は堆肥化が良好に行われたものほど増収し、堆肥化が良好に行われれば農業利用が可能なことが示唆された。また、塩類による生育障害はなく、跡地土壌への集積も少なかった(表3)。
4)実用化を図るために、規模を拡大した堆肥化実験を行った。アオサと剪定屑を重量比で等量混合し、1,200L容の通風装置付き縦型発酵槽で1か月間一次処理を行い、箱形の発酵槽で2か月間二次発酵することにより良質の堆肥が製造できた。一次発酵では65℃まで発熱する良好な発酵を示し、出来上がった堆肥には悪臭もなかった。
成果の活用面・留意点 1)アオサの堆肥化及び圃場への施用にあたっては、砂や塩分の持ち込みを避けるため、アオサを水洗することが必要であり、その施設が必要となる。
2)塩類集積を防ぐために、施設栽培では連用しないことが好ましい。
図表1 215889-1.gif
図表2 215889-2.gif
図表3 215889-3.gif
図表4 215889-4.gif
カテゴリ 肥料 キャベツ こまつな 施設栽培 だいこん

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