タイトル |
現場において正確、簡単、瞬時に計測できる、安価なTDR土壌水分計 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
絶対乾燥から飽和までの土壌水分を、砂質、粘質の土性を問わず、現場において正確、簡単、瞬時に計測できるTDR土壌水分計を製品化すると、±4%以内の誤差で計測できる。本水分計は安価(約11万円)で、十分実用的である。
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背景・ねらい |
絶対乾燥から飽和までの土壌水分を、砂質、粘質の土性を問わず、現場において正確、簡単、瞬時に計測できるTDR土壌水分計は画期的な計測方法である。しかし、現在市販されているTDR土壌水分計は全て外国製で、電磁波の反射波形を自動的に解析する 250万円の研究用高級機から80万円の携帯用タイプまであるが、非常に高価であり、とても農家が使用する段階にまでは至っていない。そこで、普及性を狙った安価なTDR土壌水分計を製品化すると共に、その性能を調査する。
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成果の内容・特徴 |
- TDR土壌水分計は、長さ30cm、径 3.2mmの2本のステンレスのロッドを持つセンサー(米国CAMPBELL社のCS615、図1)をそのまま利用して、周波数を表示する計測部とを組み合わせて製品化する。価格は約11万円である(図2)。
- 測定はセンサーのロッド部分を土壌表面から差込むだけで瞬時に計測でき、センサー毎に添付した換算表から読み取った周波数を簡単に体積含水率に変換できる。
- 測定範囲はロッドから3~4cm周辺までである。
- 測定精度は、センサー毎に検定式を求めると±3%以内の誤差で計測できる。しかし、センサー毎に検定を行うことは煩雑であるので、センサーの空中及び水中測定値から作成した次の検定式を利用すると±4%以内の誤差で計測でき、十分実用的である。
土壌水分割合X=(測定土壌Hz-空中Hz)/(水中Hz-空中Hz) ロッド長30cmの場合:体積含水率V(%)=33.9X2+34.1X-2.12 ロッド長20cmの場合:体積含水率V(%)=-36.0X2+92.3X-7.86 ロッド長10cmの場合:体積含水率V(%)=-166X2+168X-9.65
- 鉢物のような限られた培土での計測は、30cmのロッドを20cmや10cmに切断して行ったが、同様に精度良く計測できる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本TDR土壌水分計は、土壌診断を行う普及員や農協職員、農家が十分活用できる。
- 有機物の多い土壌や容積密度1g/cm3 以下の軽い火山灰土等は別途検定が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
土壌診断
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