タイトル |
肥効調節型肥料利用によるたまねぎの全量基肥栽培 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
たまねぎにおける全量基肥栽培法は、肥効調節型窒素肥料(40日タイプおよび70日タイプ)を用いることにより、慣行の栽培法と同等の収量、貯蔵性が、確保できる。また、施肥労力の削減が図られ、慣行の窒素施肥量を20%減肥できる。
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背景・ねらい |
たまねぎは、生育期間が約220日と長いため施肥労力の削減が望まれている。そこで、肥効調節型窒素肥料を利用することにより、収量を低下させず、省力的で肥料の利用率が高い全量基肥栽培法を開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 肥効調節型窒素肥料40日タイプと70日タイプを3:7の割合にし、窒素施肥量を20%減肥した全量基肥減肥区では、慣行栽培と同等の収量が得られた(表1)。
- たまねぎは、冬季の低温期を経過するため、肥効調節型肥料からの窒素溶出が遅く、溶出期間は通常表示されている日数より大幅に長くなった(図1,図2)。したがって、たまねぎの窒素供給は、生育前半を40日タイプの窒素溶出、生育後半を70日タイプの窒素溶出でまかなうことが可能である(図1)。
- 全量基肥減肥区では、りん茎部の窒素含有率は慣行区よりやや低く、腐敗率も9週間貯蔵後は8%と低く抑えられ、貯蔵性も高かった(表2)。また窒素吸収量が慣行区より多く、窒素利用率が68%と高く、効率的に吸収された(表2)。一方、速効性窒素肥料を配合した全量基肥区も、りん茎部の窒素含有率が慣行区よりやや低く、腐敗率も9週間貯蔵後は18%と低かったが、窒素利用率は慣行区と同程度の45%程度であった(表2)。以上のことから、肥効調節型肥料を利用したたまねぎ栽培は可能であり、全量基肥減肥処理が、たまねぎに最も適した全量基肥栽培法である。
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成果の活用面・留意点 |
- 全量基肥栽培の窒素施肥量は、栃木県農作物施肥基準(平成8年)のたまねぎ施肥量(N:P2O5:K2O=22:25:22)に準ずる。
- 土壌は灰色低地土に適用できる。
- 供試土壌の可給態窒素量は、9.87mg/100gである。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
施肥
たまねぎ
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