タイトル |
水田裏作小麦の安定収量・高品質化のための土壌診断・栄養診断 |
担当機関 |
埼玉県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
灰色低地土水田作小麦(農林61号)の安定収量(500kg/10a)と適正粗蛋白含有率(9.5%)を確保する窒素吸収量は8.5kg/10aで、これを基に土壌可給態窒素レベル別に基肥量基準を作成した。追肥の要否は適正栄養診断値(植物N4.8%)で判定し、適正土壌窒素量(8mg/100g)との差で追肥量を決定する。
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背景・ねらい |
埼玉県産小麦は実需の評価が高いが、近年子実の低蛋白が指摘されている。麦の生育・品質は年次差が大きく、追肥の栄養診断・土壌診断基準が確立されていない。そこで、安定収量と適正蛋白を目標とした土壌診断及び追肥期の栄養診断基準を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 小麦農林61号の子実粗蛋白適正値(9.5%以上)と収量500kg/10aを得る窒素吸収量は約8.5g/m2である。
- 小麦栽培期間中の土壌窒素無機化量は施肥前の可給態窒素量(30℃4週培養)によって推定可能である。
- 適正粗蛋白含有率と安定収量に必要な窒素吸収量と可給態窒素診断による土壌窒素無機化量の推定から、基肥窒素施用量の診断基準値が得られる。基肥窒素の平年の利用率は灰色低地土で約50%である。
- 追肥時期(6葉期)の植物体窒素含有率と成熟期子実粗蛋白含有率は比較的高い相関関係があり、植物体窒素含有率4.8%以上が適正粗蛋白含有率の下限値9.5%のための基準値になる。この値以下の場合追肥が必要である。
- 追肥時期の土壌無機態窒素量と子実粗蛋白は高い相関がある。土壌窒素8mg/100g以上で適正値となるので、土壌診断により不足分を追肥として施用する。
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成果の活用面・留意点 |
- 可給態窒素は畑状態、生土で測定する。
- 本法は水田作における農林61号を対象にしている。
- 過剰な追肥は倒伏、づどんこ病を招くので追肥量は3kg/10aいないとする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
栄養診断
小麦
水田
施肥
土壌診断
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