不耕起移植6年経過後に代かき移植をした水稲の窒素吸収特性

タイトル 不耕起移植6年経過後に代かき移植をした水稲の窒素吸収特性
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1998
要約 不耕起移植を6年継続した水田では土壌有機物が表層に集積するため,窒素発現量は代かき状態にすると,深さ0~5cmで高まり,水稲の窒素吸収速度は幼穂形成期までの期間で代かき継続水田より高くなる。この結果,初期生育は促進され,穂数の確保が容易となるので,基肥窒素施用量は減らせる。
背景・ねらい 水稲の不耕起栽培は代かきを省ける点で省力・低コスト技術として注目されているが,継続した場合には畦畔からの漏水,大型機械の走行に伴う不均平などにより代かきが必要となる。そこで,不耕起移植栽培を6年継続後に代かき移植栽培に戻した場合における水稲の窒素吸収特性を同一圃場内の代かき継続と比較検討する。
成果の内容・特徴
  1. 不耕起6年継続区は土壌有機物が表層に集積するため,代かき前の深さ0~5cm層における窒素発現量は代かき継続区土壌に比べて多くなり,特に代かき(スラリー状)状態では約4倍となる(表1)。
  2. 不耕起6年継続区ではロータリ耕による代かき後においても,深さ0~5cmに有機物が多く集積しているが,収穫後には代かき継続区と大差が見られなくなる(表2)。
  3. 水稲の窒素吸収量は代かき継続区に比べて不耕起6年継続区が1g/m2ほど多くなり,生育時期別の窒素吸収速度は幼穂形成期までの期間で代かき継続区よりも特に高い(表3)。
  4. 不耕起6年継続区は初期生育が旺盛となり,代かき継続区に比べて穂数が8%ほど多く,わら重,精玄米重とも高まる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 基肥窒素は穂数の確保が容易となるため,代かき継続の移植栽培より減らす必要がある。
  2. 成果は中粗粒強グライ土(作土の土性:壌土)で不耕起移植栽培を6年継続した場合に得られたものであり,土壌条件や継続年数が異なる場合は検討する必要がある。
  3. わらは全量を毎年還元した。
図表1 215898-1.gif
図表2 215898-2.gif
図表3 215898-3.gif
図表4 215898-4.gif
カテゴリ 肥料 水田 水稲 低コスト 不耕起栽培

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