タイトル |
露地野菜栽培において肥料や堆肥施用量を削減できる可給態窒素の目安 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
家畜ふん堆肥の露地野菜畑への連用により、可給態窒素が3~4mg/乾土100g以上になった場合は、化学肥料だけでなく、堆肥施用量も削減できる。
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背景・ねらい |
現行の施肥基準では堆肥の施用量は明記されているが、それに含まれる窒素成分等は施肥量として考慮されていない。そこで豚ぷん堆肥連用下における化学肥料と堆肥施用量の削減が、キャベツとバレイショの収量に及ぼす影響を明らかにするとともに、施肥窒素が削減可能となる目安を得る
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成果の内容・特徴 |
- バレイショの収量は、1作目の化学肥料窒素(以下、化肥窒素)50%削減+堆肥1tでは慣行よりも15%低下したが、豚ぷん堆肥を4回連用(1+3+1+3t)した5作目では、化肥窒素30~50%削減+堆肥1tでも慣行と同等である。さらに堆肥を6回連用(1+3+1+3+1+2t)した7作目以降では、化肥窒素30%削減+堆肥0.5t(50%削減)でも慣行と同等である(表1、図1)。
- キャベツ第1作(通算2作目)の収量は、化肥窒素30~50%削減+堆肥3t、無窒素+堆肥3tでは10%低下したが、堆肥を3回連用(1+3+1t)した4作目では、化肥窒素50%削減+堆肥3t、無窒素+堆肥3tでも慣行と同等である(表1、図1)。
- キャベツの収量は、堆肥を5回連用(1+3+1+3+1t)した6作目では、化肥窒素削減なし+堆肥2t(33%削減)では慣行と同等だが、化肥窒素30%削減+堆肥2tでは10%、無窒素+堆肥2tで20%低下する。しかし堆肥を7回連用(1+3+1+3+1+2+0.5t)した8作目では、化肥窒素30%削減+堆肥2t、無窒素+堆肥2tでも慣行と同等である(表1、図1)。
- 豚ぷん堆肥の連用により、土壌中の可給態窒素が3~4mg/乾土100g以上に達する4作目以降、バレイショとキャベツの収量が低下しなくなることから、これを化学肥料と堆肥施用量削減の目安とする(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 前作跡地又は作付前の土壌を採取し、風乾土の可給態窒素を測定する。
- 堆肥施用により可給態窒素が3~4mg/乾土100g以上になったら、まず化学肥料を削減する。その後は可給態窒素3~4mg/100gを維持できる程度の堆肥施用量とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
キャベツ
施肥
ばれいしょ
豚
野菜栽培
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