小型高感度反射式光度計システムを用いたホウ素及びマグネシウムの簡易分析法

タイトル 小型高感度反射式光度計システムを用いたホウ素及びマグネシウムの簡易分析法
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1998
要約 小型高感度反射式光度計システム(RQフレックスプラス)を用いて、土壌や作物体中のホウ素及びマグネシウムの簡易分析が可能である。
背景・ねらい 近年、小型反射式光度計(RQフレックス)システムによる土壌、作物体、養液の簡易分析法が普及の現場段階で広く行われるようになってきたが、ホウ素(B)及びマグネシウム(Mg)の測定は今まで不可能であった。そこで、RQフレックスプラスの専用分析キットを用いて、特殊な機器や熟練した分析技術を要しない、土壌や作物体中のB及びMgの簡易分析を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 土壌中Bの簡易分析は、常法により熱水抽出したろ液の一定量に分析キットの試薬を加えて、専用加熱器で加熱後、専用セルにて測定する。ICP-MS法との相関関係は極めて高く(図1)、熟練した分析技術を要しない。
  2. 作物体中Bの簡易分析は、灰化後に酸に溶かし、ろ過、中和、遠心分離後、一定量の上澄液を、土壌の場合と同様に測定する。ICP-MS法との相関関係は極めて高く(図2)、熟練した分析技術を要しない。土壌及び作物体ともに、本法の測定範囲は0.1~4.0ppmで、供試液量は0.4mlである。なお、作物体を酸抽出した液は着色する試料があり、誤差が大きくなる。
  3. 土壌中Mgの簡易分析は、常法による酢安抽出したろ液の一定量に分析キットの試薬を加えて、専用セルにて測定する。原子吸光法との相関関係は極めて高い(図3)。
  4. 作物体中Mgの簡易分析は、酸抽出したろ液を、土壌の場合と同様に測定する。原子吸光法との相関関係は極めて高い(図4)。土壌及び作物体ともに、本法の測定範囲は 5~50ppmで、供試試料は0.5mlである。
成果の活用面・留意点
  1. 供試分析試料の内訳は、土壌では黒ボク土、褐色低地土、灰色低地土、細粒グライ土、黄色土、赤色土、砂丘未熟土であり、作物体では野菜、花き、永年作物、海草である。
  2. 作物体Bでは、前処理の中和操作を厳密に実施する必要がある。
  3. 今後多くの事例を測定して、回帰直線の係数を1に、切片を0に近づけるようにバーコード等の改良や分析キット等の改良が必要である。それまでは、回帰式からの読み替えで対応する。
図表1 215915-1.gif
図表2 215915-2.gif
図表3 215915-3.gif
図表4 215915-4.gif
カテゴリ 肥料 分析技術

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