タイトル |
被覆尿素を用いた水稲育苗箱施肥における苗白化症の発生要因 |
担当機関 |
岐阜県農業総合研究センター |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
被覆尿素を用いた水稲育苗箱施肥法において発生する苗白化症は、被覆尿素に含まれるビウレットにより引き起こされ、出芽期間中の灌水や、種子と被覆尿素の接触を避けて播種することにより減少した。
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背景・ねらい |
被覆尿素を用いた水稲育苗箱施肥法は、現地で普及しつつあるが第2葉の白化が見られ、今後生産現場での混乱を招くことが予想される。そこで、苗白化症の原因及び育苗条件による発生に与える影響について検討し、白化症の発生抑制を目指した。
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成果の内容・特徴 |
- 被覆尿素から溶出する尿素・ビウレット、尿素の分解により生成される炭酸アンモニウムについて灌注試験を行った結果、ビウレットによって100%近い苗白化症が再現された。被覆尿素中からのビウレットの溶出は、尿素と類似したパターンを示した(図1)。
- 苗白化症の発生は播種2日後までのビウレット処理により顕著であり、3日目以降はほとんど認められず、播種時の処理では通常認められない第1葉の白化が認められた(図2)。
- 苗白化症はビウレット濃度が高いほど発生が多くなる傾向が認められ、0.1g/Lでは発生がなく、1.2g/Lでは第2葉の萎縮した症状が発生した(図3)。
- 育苗方式により苗白化症の発生頻度が異なり、種子と肥料の接触をさけることにより減少し、また出芽期中の灌水によっても軽減された(表1)。
- 以上のことから、苗白化症は播種後3日間のビウレットとの接触が主原因であり、緑化期までのビウレットとの接触をさけることで軽減できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 水稲苗の白化症対策の基礎資料となる。
- 白化症苗は移植後の活着率、分げつ発生は劣るものの、健全苗と混植される条件下では問題がない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
水稲
施肥
播種
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