タイトル |
ディスク駆動式汎用型不耕起播種機を用いた水稲乾田直播栽培の作業体系 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ディスク駆動式汎用型不耕起播種機と乗用管理機を利用した乾田直播栽培は作業の高速化と省力化で負担面積が拡大できる。また、苗立数の年次変動が少なく収量の安定化が期待できる。
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背景・ねらい |
特に不耕起乾田直播栽培は耕起乾田直播栽培のデメリットを改善しより省力性の高い技術として評価されている。しかし、収量性、雑草防除の不安定性が指摘されてきたため、新しい作業機、資材を利用してより安定性がある作業体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 汎用型不耕起播種機(N社製NSV-600S)は作業速度が1.2m/s程度の高速作業が可能で、施肥・播種時間は2.0~3.3h/haである。また、乗用管理機(I社製JK-120GH)の作業能率は粒剤散布が0.6h/ha程度、液剤散布では1.2h/ha程度である(表1)。
- 溶出タイプが異なる緩効性肥料を混合し、移植栽培の全投入窒素量と同程度を種子と同時溝施用する。これにより、肥料利用率の向上と作業時間短縮が図られる。早生品種ではLP70とLPS100を1:1に混合した肥料を使用する(図表略)。
- 作業機の高能率化と追肥作業回数の低減により延作業時間は50~60h/haと移植栽培の50%程度に短縮できる(表1、表4)。また、安定した播種深度を得るための作業機の改良や播種、施肥方法の改善により苗立ち数の年次変動を軽減できる。
- 安定した播種深度が得られるため苗立ちが安定する作業体系である(表2)。
- 田面の凹凸が多い圃場(コンバインの轍、旋回部の沈下深が3cm以上)では、ドライブハロで耕深5cm程度に浅耕するか、レーザレベラ、プラウを利用した均平作業(プラウ:0.9h/ha、レベラ:4.9h/ha)を行う。これにより播種精度の安定化が図られる。
- 作業人員2名、播種・移植期間を20日として負担面積を試算した結果、不耕起乾田直播栽培の播種面積は19.1haと耕起乾田直播栽培より2.0ha、移植栽培より6.6ha多く負担面積を拡大できると推察された(表3)。さらに、収穫面積をもとに機械利用経費と60kg当たりの生産費を試算すると、それぞれ移植栽培より30%と15%の費用を低減できることが推察される(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 技術の適応地域は漏水の激しい水田及び粘土質の強い水田を除く。
- リン酸とカリは播種前に全面施用しておく。施肥量は土壌調査をもとに決める。
- 病害虫防除は適期防除を心がける。
- 播種機の作業能率を最大限に発揮するためには、高性能コンバイン導入や作付け品種の組み合わせの検討が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
乾田直播
雑草
省力化
水田
水稲
施肥
播種
病害虫防除
品種
防除
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