タイトル |
鉢物生産における鉢上げロボットハンド |
担当機関 |
群馬県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
鉢物生産における小鉢から大鉢への鉢上げ作業の省力化を図るため、ゴムアクチュエータと吸着パッドを利用した鉢上げのロボットハンドを開発した。ゴムアクチュエータによる小鉢の株元把持と、吸着パッドによるポリビニール鉢抜取りを組み合わせることで、安定して鉢上げすることができる。
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背景・ねらい |
シクラメン等の鉢上げ作業は、小鉢から葉や根鉢を傷つけることなく抜き取り、大鉢へ植え付ける必要があり、現在は人力作業に依存している。加えて、単調な作業が長時間続くことから、その機械化・省力化が要望されている。そこで、産業用ロボットによる鉢物の鉢上げシステムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- システムの構成
ロボット本体(垂直多関節型、6軸)、鉢上げハンド、小鉢(3号)供給部、ポリビニール鉢抜取り装置、大鉢(5号)搬送用コンベヤ、コンプレッサ等で構成され、これらはロボットコントローラとネットワークで結ばれている(写真1)。
- 鉢上げハンド
開発したハンドは、シリコーンゴムの外側に強化繊維を配置したゴムアクチュエータと開閉チャックからなる。ゴムアクチュエータは空気加圧により先端部が湾曲し、チャックは扇状に開閉すため、株全体をつつみ込むように把持できる。(図1)。
- 作業の流れ
小鉢供給部でシクラメンの株元を両側からハンドで把持する。把持された小鉢がポリ鉢抜取り部へ移動すると、吸着パッドによりポリ鉢側面を吸着する。株を把持したままハンドを上方へ移動することで根鉢からポリ鉢を抜き取り、大鉢へ移動して株を落下させ植え付ける(図2)。
- 鉢上げ性能
小鉢から大鉢への鉢上げ時間は1鉢当たり9.5秒、大鉢搬送用トレイ(5号ポリ鉢、5鉢分)当たりでは47.5秒である。鉢上げ精度は、ポリ鉢抜取りミスが8%程度生じたが、小鉢把持や大鉢への植付けは安定していた(表1、表2)。茎葉の損傷はみられなかった。
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成果の活用面・留意点 |
大鉢の土詰め、植穴あけ等は既存装置を活用する。その処理能力は時間当たり400箱程度であることから、開発ハンド1組で対応が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
機械化
シクラメン
省力化
ロボット
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