タイトル | なた爪ロータ付き代かき同時田植機 |
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担当機関 | 埼玉県農業試験場 |
研究期間 | 1998~1999 |
発行年度 | 1998 |
要約 | 簡易代かき田植機の代かきロータをなた爪に改良し、ロータリによる代かきと同時に移植を行う方式とした。作業速度0.6m/s程度で、代かき・移植の時間を約56%に省力化でき、代かき効果は高く、収量も慣行と同程度である。 |
背景・ねらい | 代かき・移植の作業は競合が激しく規模拡大の阻害要因となっている。特に米麦二毛作体系では省力化技術が望まれている。これに対し、無代かき移植技術など代かき工程を省略する技術を開発してきたが、漏水防止が課題とされていた。そこで、代かき爪の改良で漏水防止効果の高い、代かき・移植を同時に行う技術を開発した。 |
成果の内容・特徴 | 1本機の仕様(表1、図1) (1) 6条簡易代かき田植機に、なた爪34本を使用した直径310mm、作業幅1850mmの代かきロータリを取り付けた、代かきと同時に移植を行う機械である。 (2) 代かきによる泥流の横漏れ防止に代かきロータリの両脇にディスクを付け、ロータリ前部の両脇にも板を付ける。ロータリカバーの後部には植え代を整えるためのレーキと、泥跳ねによるフロートの感度異常を防止するために、レーキに重ねてゴムカバーを付ける。 2作業方法(表2) (1) 作業工程は、耕耘→湛水(2~3日)→落水→代かき同時移植(側条施肥)→1日後入水で、以降は慣行の作業と同様な管理とする。 (2) 作業機械の設定は、定格出力時でロータリ回転数を200~300rpmとし、ロータリ爪先は低速回転ではフロートの下7cm程度に深くする。作業速度は、0.6m/s程度で行える。 (3) 感度設定は、フロート部の感度及び向かい角を軟弱圃場用に設定する。 3代かき・移植の作業時間は、走行速度0.6m/sで慣行の約56%に省力化できる(表1)。 4漏水防止効果は移植後初期から高く、5日目以降は慣行同様に除草剤等の管理が行える(表2)。 5収量は慣行と同程度で、多肥では初期生育が確保され増収する(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1細粒灰色低地土(宝田統)における麦跡移植で適応性が高い。 2極端に砕土が悪い場合と土塊の吸水が不十分な場合は、漏水防止効果が落ちる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 規模拡大 省力化 除草剤 施肥 二毛作 |