個別経営向きダイコンの洗浄・選別システム

タイトル 個別経営向きダイコンの洗浄・選別システム
担当機関 神奈川県農業総合研究所
研究期間 1998~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 ダイコン栽培で、最も労力を要する洗浄・選別作業の省力・軽労化を図るため、家族労力で使いやすい小型の洗浄・選別機を開発した。本機により、手作業で行っている重労働な仕上げ洗浄が省略でき、箱詰めが迅速になるため、洗浄から箱詰めまでの作業能率は慣行体系の約1.5倍に向上する。
背景・ねらい 神奈川県の三浦半島地域は、古くから「三浦ダイコン」の産地で、現在では、品種が青首系に代わったものの、秋冬ダイコンが盛んに栽培され、平成8年度の作付面積は、815ha、生産量は、88,290tに及んでいる。当地域は大規模な共選施設がなく、個選・共販方式で出荷が行われ全労働時間のうち約60%が調製作業で占められている。この作業は重労働であり、作業の改善が望まれている。
そこで、慣行作業のうち、洗浄機から受け槽に落とし込まれたダイコンの仕上げ洗浄と、重量選別作業が省ける洗浄・選別機を開発し、これを基とする作業体系を確立した。
成果の内容・特徴
  1. システムは、洗浄機・選別機・選別機に付帯し規格選別されたダイコンの受け槽・水切り乾燥架台で構成されている。個別経営仕様として、作業は1~2人で行う。また、省スペース・低コスト化を図るため、装置は一体化せず、収納が容易な小型機を組み合わせ、洗浄機から選別機への搬送は機械化せず、直接供給方式とした(図1)。
  2. 洗浄機は根部洗浄用の回転ブラシと、普及機では汚れが落ちにくい根部先端部及び葉部洗浄のため、根部先端部専用回転ブラシを供給部に付帯し、回転ブラシに並行して葉部洗浄用スプレイノズルを備えており、根部と葉部が同時に洗浄できる(表1)。
  3. 重量選別機は、計量器と搬送・選別部からなり、後者は低コスト化を図るため、市販のベルトコンベアを利用したものである。計量部は小さな搬送コンベアを配置し、コンピュータにより規格選別されたダイコンを搬送部に供給する。選別は左右に合計6規格、コンベア出口に最大・最小規格、計8規格に選別する(表1)。
  4. 各選別部の出口に受け槽を設け、選別されたダイコンを貯留する。積み重なっても水に浮いているため、損傷はない。また、受け槽を設けることで、1人作業が可能になる(図1)。
    5 .本システムの、2人組作業による洗浄から箱詰めまでの作業能率は1,000本当たり2.8時間程度であり、慣行作業の約1.5倍に向上する(表2)。また、重労働な仕上げ洗浄が省略されるため、軽労メリットは大きい。
  5. 洗浄機・選別機は小型に製作してあり、設置面積は規格別の受け槽を配置すると3.2×5.0mである。作業面を考慮すると100~120m2以上の作業場が必要である。
成果の活用面・留意点
  1. 洗浄機と選別機は、システムとして開発したものであるが、単独の使用もできる。なお、システムとして一式250万円程度で市販化が予定されている。
  2. 選別機は重量の選別であり、長さ・品質による選別は箱詰め時に人力で行う。また、選別機は夏作で行っているカボチャへの汎用利用も可能である。
図表1 215929-1.gif
図表2 215929-2.gif
図表3 215929-3.gif
カテゴリ かぼちゃ 乾燥 機械化 経営管理 軽労化 市販化 出荷調整 だいこん 低コスト 品種

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