タイトル |
透過式近赤外分光法によるスイカ果実の非破壊品質評価 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
果皮の厚い大玉スイカにおいて、果実用に開発された強力な光源を備えた透過式の近赤外分光装置によっての果実内部の糖度(Brix)を実用的な精度で非破壊測定することができる。
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背景・ねらい |
近赤外分光法は食品の非破壊品質評価法として広く使用されるようになり、果実についても果皮の薄いモモやリンゴなどを対象にその応用に関する研究が行われている。しかし、果皮の厚い青果物ではスペクトルの測定が困難である。そこで、果皮が厚く大型の青果物であり、また、甘さの点で「当たり外れ」が多いと言われるスイカ果実を対象に、強力な光源を装備させた透過式近赤外分光装置により、果実内部の糖度の非破壊測定を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 500Wのハロゲンランプを4ヶ使用した強力な光源を装備した測定機器 Fruit 5(果実非破壊品質研究所)を用いることによって、果実重量3.1~10.2kgまでの大きさの異なるスイカ果実の近赤外スペクトルを透過測定することが可能となる(図1、図2)。
- スイカ果実内部でのBrixのバラツキは大きく、種子の存在する部分のBrixが、他の部分より約0.5度高い(図3)。このため、検量線を作成する場合には、従来法によるBrix(スイカ果実のBrixの代表値)の値に、果肉全体の搾汁液のBrixを用いるのが良い。また果頂部側半分の搾汁液を用いる方が、赤道部の果肉の搾汁液を用いるより、スペクトルデータとの適合性が高かった(表1)。
- 2次微分スペクトルとBrix値を基に重回帰分析を行った結果、4波長による検量線において、R(重相関係数)は0.73、SEP(未知試料を予測した時の標準誤差)は0.57Brix、Bias(予測値と実測値の差の平均)は0.07Brixであり、実用的な精度である(表1、図4)。
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成果の活用面・留意点 |
大玉スイカでも、近赤外分光法による非破壊糖度別選果が可能となり、産地の販売力強化に期待できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
すいか
評価法
もも
りんご
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