タイトル |
隔離栽培と作期移動を利用した異型株の少ない原種の生産方法 |
担当機関 |
千葉県原種農場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
原原種は隔離ほ場で生産し、面積を要する原種の生産は周辺の異品種と15日程度の出穂期差を確保して行えば、非隔離ほ場でも異型株のごく少ない原種が生産でき、採種ほ場における異型株抜き取り作業が軽減される。
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背景・ねらい |
労力不足のもとで優良種子を安定供給するには、自然交雑由来の異型株を少なくし、機械化の難しい異型株抜き取り作業の省力化を進める必要がある。そこで、隔離栽培と作期選択が後代の異型株発生に与える影響を調べ、異型株の少ない原種の生産方法を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 雑種後代(F1~F2)の判別と完全な抜き取りは困難であるので、採種ほ場で、自然交雑由来の異型株発生を少なくするには、原原種から原種の生産過程で自然交雑をなくすることが必要である(表1)。
- 異品種との出穂期差が15日以上であれば、周辺に稲が栽培されている非隔離ほ場でも自然交雑率は0.01%未満となる(図1)。
- 原原種・原種の生産過程で、出穂期差が2日の異品種がほ場周辺に作付けられた場合、採種ほ場における異型株出現率は0.06~0.11%と高まる。また、異型株出現率は原種生産段階の障害型冷害によってさらに高まる(表2)。
- 周辺に稲の栽培のない隔離ほ場で栽培した原原種をもとに、周辺の異品種と交雑を防げる出穂期差を確保して非隔離ほ場で原種を生産すれば、採種ほ場における異型株の発生は認められなくなる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 出穂期差を確保するため作期を変えた場合、病害虫の防除は適期に実施する。
- 隔離ほ場が畑の場合、水の確保・面積の確保に留意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
機械化
省力化
凍害
品種
防除
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