タイトル |
良質・多収水稲糯新品種「伊那糯15号」と良質安定栽培法 |
担当機関 |
長野県南信農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲「伊那糯15号」は、「モチミノリ」よりやや早い晩生の糯品種で、良質・強稈・多収で、餅は硬化しにくい特性をもち、大福・おこわ等に適し、平成12度より長野県で奨励品種に採用予定である。高品質米の安定生産には栽植密度は22/m2程度、基肥は地域の基準施肥量、追肥時期は幼穂長2~10mm期がよい。
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背景・ねらい |
長野県の低暖地の晩生糯品種として普及している「モチミノリ」は多収で栽培特性にすぐれているが、玄米・餅色はやや白度が劣り、熟期は当該地域の主力粳品種と同熟期で、作業上これより少し早い熟期で良質の糯品種が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 安定多収・良質の水稲糯品種の育成を目標として、「関東糯148号(モチミノリ)」を母とし、「もちひかり」を父として交配を行い育成した系統である。
- 出穂・成熟期は「モチミノリ」より5日程度早く、育成地では晩生の早に属する(表2、表3)。
- 稈長は「モチミノリ」と同程度で、耐倒伏性は「モチミノリ」と同じ〝強〟である(表2)。
- いもち病抵抗性遺伝子は+と推定され、葉いもち、穂いもちとも〝やや弱〟である。白葉枯病抵抗性は「モチミノリ」より強い〝中〟である(表2)。
- 収量性は「モチミノリ」より多収である(表3)。
- 玄米の大きさは「モチミノリ」よりやや大きい〝中粒〟で、「モチミノリ」より白く、外観品質は「モチミノリ」よりやや優る(表3)。
- 餅質は「モチミノリ」同様硬化しにくい特性をもち、おこわ及び大福等に適し、「モチミノリ」より白く、外観・粘り・食味ともやや優る(表3)。
- 良質安定栽培には栽植密度22株/m2程度、基肥窒素は地域の基準量、追肥時期は幼穂長2~10mm期がよい(図1、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及地帯は、木曽郡を含む南信の標高600m以下及び東・北信の標高400m以下の地帯。
- 強稈で倒伏には強く多収だが、多肥栽培を避け、良質米生産に努める。
- いもち病抵抗性はやや弱いので、適期防除に努める。
- 白葉枯病抵抗性は「モチミノリ」より強いが、多発地帯では適期防除に努める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
新品種
水稲
施肥
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
防除
良食味
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