タイトル |
水稲乾田直播栽培の出芽揃期入水 |
担当機関 |
長野県農事試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
水稲乾田直播栽培(耕起乾田直播栽培、不耕起乾田直播栽培)の入水時期を5葉期より早め、出芽揃期とすることが可能である。
|
背景・ねらい |
現行の乾田直播栽培は水利慣行等により水稲の5葉期頃の入水が一般的であるが、早期入水により、水による保温効果と雑草防除の効率化や鳥害防止が期待できるので、早期入水が乾田直播栽培水稲の生育・収量に及ぼす影響を検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 耕起乾田直播栽培では5葉期入水と比較して、出芽揃期から3葉期入水ではm2当苗立数が5~13%多かった。m2当穂数には入水時期による有意な差は認められず、出芽揃期入水は5葉期入水と比較して同等で、収量にも有意差は認められなかった。また、入水時期による外観品質の差は認められなかった(図1)。
- 不耕起乾田直播栽培では5葉期入水に比較して、出芽揃期入水でm2当苗立数は 3~17%劣った。しかし、生育は回復し、出芽揃期入水は5葉期入水に比較して、m2当穂数に有意な差は認められずほぼ同等で、収量も出芽揃期入水は5葉期入水と比較して、有意な収量差は認められなかった。また、入水時期による外観品質の差は認められなかった(図2)。
- 以上から乾田直播栽培(耕起乾田直播栽培、不耕起乾田直播栽培)の入水時期を5葉期より早め、出芽揃期とすることが可能である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 長野県の乾田直播適応地帯は標高500m以下、年平均気温12℃以上。土壌は壌土~埴土で、乾田~半湿田である。
- 入水時期を早めることで、湛水散布用除草剤が生育初期から使用でき、効率的な雑草防除が可能となる。
- 出芽期まで入水を早めることで出芽直後の雀害が軽減できる。
- 実施にあたっては畦畔整備を行い漏水を防ぐ。
- 不耕起直播栽培はみのる式逆転部分耕覆土式不耕起直播機を用いた試験である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
病害虫
乾田直播
雑草
直播栽培
除草剤
水稲
鳥害
|