タイトル |
愛知式不耕起直播におけるコシヒカリの播種期の前進 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
コシヒカリの愛知式不耕起播種機による直播栽培では、チウラム水和剤による種子粉衣(乾もみに0.5%湿粉衣)によって土壌中の種子の生存率が高まり、2月中旬から4月中旬まで播種期前進しても出芽・苗立ちが安定する。
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背景・ねらい |
愛知式不耕起直播栽培では、出芽・苗立ちを安定的に確保するため播種期を4月中旬以降に限定してきた。しかし、この時期は移植栽培のための代かき、移植、除草剤散布作業や不耕起直播後の除草剤散布等による作業競合が発生するため、不耕起直播の作付け面積が制限されてきた。したがって、4月中旬から5月上旬の作業競合を回避するため、冬季から早春に不耕起播種可能な栽培法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 9月から1月に代かきし、排水溝設置によって田を乾燥後、愛知式不耕起播種機でコシヒカリを2月中旬から4月上旬播種する。苗立ちを確保するため、播種量は6~8kg/10aとする。
- チウラム水和剤0.5%(成分量0.4%)の種子への粉衣によって土壌中での種子の生存率が高まり出芽・苗立ちが安定する(表1、図1)。
- 2月中旬から4月上旬播種に同時施用したコシヒカリ専用肥料の窒素推定溶出率の推移は4月中旬播種に比べ0~5日早まるが、出芽期や出穂期も同様に早まるため生育に悪影響はない(図2)。
- 市販のコシヒカリ不耕起直播の専用肥料(LP70:LP100:LPS80=3:2:5)を播種同時に20~25kg/10a施用(窒素成分で8~10kg/10a)することで、生育、収量、品質、食味等は4月中旬播種と同等となる(表1)。
- 播種期を前進することで、4月中下旬の播種、除草剤散布等の作業競合が分散でき、4月中旬から5月上旬のコシヒカリの移植作業との競合も緩和される(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本県平坦部に導入できる。
- 出芽・苗立ちをさらに安定化させるために、出芽期までの乾田期間の排水の徹底に留意する。
- 播種期を前進しても、播種前処理として夏・秋季から冬季代かきを実施することで播種精度が確保され覆土が均一になるので鳥害は無い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
乾燥
直播栽培
除草剤
鳥害
播種
良食味
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