タイトル |
安定・多収のらっかせい新品種候補系統「関東86号」 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1980~1999 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1999 |
要約 |
らっかせい「関東86号」は、成熟期が温暖地で早生の晩、暖地で中生の早となる安定・多収の優良系統である。剥実歩合と上実歩合が高く、莢や子実の品質が良好で良食味であり、煎莢用に適する。
|
背景・ねらい |
落花生の主要な産地の一つである南九州では、収穫期の分散を図り合理的な作付け体系を実現するため、中生品種として「ナカテユタカ」が広く栽培されてきた。しかし、「ナカテユタカ」は煎莢用として良食味・良質の品種であるが、安定的に高収量を得ることがやや難しく、これに替わる良食味で良質・多収の煎莢用品種が要望されている。
|
成果の内容・特徴 |
- 「関東86号」は、昭和55年に千葉県農業試験場(農林水産省らっかせい育種指定試験地)において、「関東41号」を母、「関東48号」を父として交配を行い、その後代から選抜・育成した系統である。
- 草型は、株のやや開く立性で、分枝長は短く、分枝数はやや少ない。
- 倒伏は少ない。さび病、黒渋病の発生はやや少ないが、汚斑病にはやや弱い。
- 開花期は、早生~中生の早群の中ではややおそいが、その後の開花や登熟の推移は順調で開花期後75~80日が収穫適期となり、成熟期は温暖地では「ナカテユタカ」より4日程早く収穫できる早生の晩、暖地では「ナカテユタカ」並の中生の早と判定される。
- 上莢数が多く、剥実歩合及び上実歩合が高くて、安定した多収性を示す。
- 莢や子実の大きさは、「ナカテユタカ」より小さく、「タチマサリ」や「ワセダイリュウ」並である。莢の縊れは“中"、網目は“やや浅"で莢色も白く、莢品質は良い。
- 子実の外観品質は、中~やや上で、「タチマサリ」や「ワセダイリュウ」並である。食味は良好で、煎莢用に適する。
|
成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は暖地及び温暖地で、鹿児島県で平成12年度から奨励品種として採用予定である。
- 汚斑病の初期発生が多い場合は、早期防除に努める。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
病害虫
育種
新品種
多収性
品種
防除
らっかせい
良食味
|