タイトル |
かんしょに対する線虫対抗植物の導入効果 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1989~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ギニアグラス跡のかんしょは概ね品質が優れる。ただし、線虫抑制効果は後作かんしょ1作に限られる。ハブソウ跡は線虫密度が高まり、かんしょに被害が目立つ。クロタラリア(スペクタビリス)跡は線虫多発圃場では効果不十分である。
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背景・ねらい |
かんしょの主産地では連作障害の一つである線虫害が問題となっている。主にいもの形状悪化として現れ、青果用では深刻である。慣行的な防除策として作付け前に土壌消毒剤が利用されているが、環境保全の見地から農薬使用量を極力減らす方策が必要である。 そこで、寄生線虫を減らす効果のある3種類の対抗植物を栽培し、翌年の後作かんしょの収量、品質に及ぼす影響を調査する。併せて、慣行の土壌消毒法との効果を比較する。
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成果の内容・特徴 |
- 対抗植物栽培跡にかんしょを栽培した結果、ハブソウ(マメ科)跡は線虫密度が高まり、かんしょの形状が乱れやすい。クロタラリア(スペクタビリス)(マメ科)跡は線虫害の少ない圃場では概ね良いが、多発圃場では効果不十分である。ギニアグラス(イネ科)跡のかんしょには線虫害が少なく、収量及び外観品質が安定して向上する(表1)。
- ギニアグラス跡のかんしょ栽培圃場における線虫密度は、生育前期は低いが収穫期には高まる。さらに後作2作目では連作圃場並みに増加する。このことからギニアグラスによる線虫害抑制効果は後作かんしょ1作に限られる(図1)。
- ギニアグラスによるかんしょの線虫害抑制効果は高く、慣行の土壌消毒剤処理と同程度の効果が期待される。しかし、線虫害の甚だしい圃場では効果が劣る場合があり、土壌消毒剤処理との併用が必要である(表2、図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- かんしょの輪作体系として、トンネルニンジン等の野菜栽培跡に夏期を中心にギニアグラスを導入する場面で活用できる。
- ギニアグラス栽培では出芽の不安定を防ぐために、(1)低温期を避けて6月上旬から7月中旬に播種する、(2)播種様式は10a当たり2kg程度をばら播きし、軽く表面を撹拌した後に鎮圧する。
- ギニアグラス栽培では翌年の雑草化を防ぐため出穂前の9月中旬から10月上旬にハンマーナイフ等で茎葉を細断する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
馬
かんしょ
雑草
土壌消毒
にんじん
農薬
播種
ばら
防除
野菜栽培
輪作体系
連作障害
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