タイトル |
もち性六条大麦「セツゲンモチ」の奨励品種採用 |
担当機関 |
長野県農事試験場 |
研究期間 |
1995~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
もち性の六条皮麦で、精麦白度が高く、麦飯食味の官能評価が高く、倒伏に強い「アサマムギ」並の早生種「セツゲンモチ」を奨励品種に採用する。
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背景・ねらい |
長野県では良質で越冬性の高い「ミノリムギ」と、早生・大粒で極めて良質の「シュンライ」が主に作付けされ、これらの品種より早生の「アサマムギ」は精麦品質が劣るため近年の作付けは皆無である。大麦の作付け面積は300ha程度に留まり、耕作意欲が減退している。このため、長野県では良質大麦生産県として「ミノリムギ」、「シュンライ」の作付面積の確保と同時に、特色ある早生大麦の導入が期待されている。国内初のもち性六条皮麦「セツゲンモチ」は精麦特性が良好で麦飯の食感がうるち性の大麦を用いた場合とは粘りが明瞭に異なり、新たな食感が期待できる。そのため奨励品種に採用し、大麦の生産拡大を図る。
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成果の内容・特徴 |
「セツゲンモチ」は「ミノリムギ」に比較して次の様な特徴がある。
- もち性の麦飯食味特性に優れる六条皮麦である。(表3)
- 「ミノリムギ」より出穂期、成熟期で3日程度早い。(表1)
- 稈長は中で「ミノリムギ」より11cm程度短く、倒伏に強い。(表1)穂長は「ミノリムギ」よりやや短く、穂数は「ミノリムギ」よりやや多い。(表1)
- 寒害、凍上害には「ミノリムギ」と同程度に強く、うどんこ病にはミノリムギよりもやや弱い。(表1)
- 精麦時間は「ミノリムギ」とほぼ同等で、精麦中の砕粒は少なく、精麦白度は「ミノリムギ」と同等かやや優れる。(表2)
- 収量は「ミノリムギ」と同程度かやや低く(図1)、少肥や地力のないところ、水田転換畑で千粒重が低くなる傾向がある。(表2)
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成果の活用面・留意点 |
- 高品質大麦を生産するために、茎立期及び止葉展開期に追肥を行い千粒重の増大と品質の向上を図る。
- 越冬性の向上と、良質安定生産のために晩播は行なわない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
うどんこ病
大麦
水田
生産拡大
品種
良食味
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