タイトル |
ストレス感受性遺伝子を持った豚の肉質及び産肉性 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
豚のストレス感受性(骨格筋リアノジンレセプター遺伝子)について、遺伝子型によりキャリアー型(+-)と陰性型(--)に豚を分け、肉質及び産肉性について比較した。キャリアー型は陰性型と比較して、産肉性及びロースの肉色に差は見られないものの、肉の保水性、伸展率は劣っていた。
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背景・ねらい |
肉質低下の要因の一つとして豚がストレス感受性症候群遺伝子を保有している場合がある。ストレス感受性豚の検出は、従来ハロセンテストによってなされてきたが、最近遺伝子診断による検出が可能となった。今回、遺伝子診断法を用いて陽性型(++)、キャリアー型(+-)、陰性型(--)に豚群を分類しその肉質及び産肉性を調査した。特にハロセンテストでは陽性反応を示さないと言われるキャリアー型(+-)が陰性型(--)と比較して肉質に差があるかどうか検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 産肉性(1日平均増体重、背脂肪の厚さ、ロース断面積、ハム割合、枝肉格付け)については、キャリアー型(+-)と陰性型(--)とに差は認められなかった。陽性型(++)の豚は発育が良く、背脂肪が薄く、ロース断面積が大きく、産肉性が高かった。(表1)
- キャリアー型(+-)の肉質は、陰性型(--)と比較すると肉の保水性及び伸展率の数値が低く肉質が劣っていた(p&st;0.05)。ロースの色(明度)、肉のpH、肉の水分含量では差は見られなかった。陽性型(++)の肉質は保水性及び伸展率の数値がかなり低く、肉質が最も劣っており、明らかにムレ肉の状態であった。(表2)
- 好ましい豚肉の理化学的性状の指標値に該当する割合は、陰性型(--)>キャリアー型(+-)>陽性型(++)の順であった。(表3)
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成果の活用面・留意点 |
- 遺伝子診断では、ハロセンテストで検出が困難なキャリアー型(+-)の検出が可能。
- 系統造成など品種改良を推進する上では、陽性型(++)だけでなく、キャリアー型(+-)の種豚の除去が豚肉の品質向上に重要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
品種改良
豚
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