タイトル |
ハウス栽培における日本なし「幸水」果実の水散布による外観向上 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター園芸研究所 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
日本なし「幸水」のハウス栽培において、水を満開後25日から40日にかけて4回散布することにより、果点および果点間コルクの発達が良好となり、果実の外観が向上する。
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背景・ねらい |
ハウス栽培における日本なし「幸水」は、果点および果点間コルクの発達が悪く、本来の赤ナシになりにくい特性がある。茨城県内の一部の産地では、果点および果点間コルクの形成に重要な生育初期(満開後25日頃~40日頃)に、灌水および水を散布することによりハウス内の湿度を高め、果点および果点間コルクの形成を促進して外観の良好な「幸水」を生産して、県平均単価より1kg当たり 175円高(平成11年、茨城県経済連)で販売している。そこで、水散布が果点および果点間コルクの形成に及ぼす影響を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 鉄骨ハウスで周年被覆栽培の日本なし「幸水」の6年生8樹を供試した。
- 2月上旬から夜温を10~15℃に設定して暖房した。
- 水を夕方に満開後25日から40日にかけて5日間隔で4回、果実および茎葉に小型噴霧器で散布した。同時に灌水(約10mm)を実施してハウス内湿度を高めた。1処理区あたり30果に処理した。
- コルク化の程度は、埼玉園試の分類に準じて以下のように分類した。
1:露地の果実と同様な果面の仕上がりで、全面に果点間コルクが発達している果実。 2:果点間コルクの発達していない部分が10~30%程度の果実 3:果点間コルクの発達していない部分が30%以上の果実
- コルク化の程度は、水散布区が無処理区に対して2ヶ年とも優れ、処理区間に有意差が認められ、果実の外観が向上した(表1、表2)。
- Brixなどの果実品質は、水散布により低下は認められなかった(表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 水の散布量は10アール当たり 250リットルとする。
- ハウス内の湿度が高まるので病害など(灰色かび病、黒星病、芯腐症など)の発生に十分注意する。
- 開花後に花弁や花がらを良く落とし、灰色かび病の発生を物理的に防止する。昼間は換気してハウス内の湿度を下げる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
黒星病
日本なし
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