タイトル |
うめの平棚栽培法 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
うめの平棚栽培法は従来の開心自然形に比べて収量が増加し、果実が大きくなる。また、収穫作業効率が2~3倍向上し、うめの低樹高化に適した栽培法である。
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背景・ねらい |
うめの収穫作業時間は全体の50%程度を占めるとされており、栽培者の高齢化に加えて、その時期が2週間程度と短く、梅雨期とも重なるため、省力化を図ることが急務となっている。 生産現場では盃状形整枝に移行してこの改善に努めているが脚立に依存する割合は依然として高く、十分な成果があがっていない。このため、収穫作業の省力化をねらいとして平棚栽培を行い、その特性や実用性について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 主枝の分岐は棚下1~1.2m程度で2~3本主枝とし、亜主枝を1~2本採る。主枝、亜主枝及び拡大を図りたい側枝は先端を40度程度に立てて、誘引、切り返しを行うが他の枝はすべて棚面に水平誘引する。
- 収量が20%程度増加し、果実の階級別割合では3L以上で1.5~2倍の増加が認められ、果実が大きくなる傾向を示す(図1、図2)。
- 収穫作業効率は時間当たりの収量で2~3倍に向上し、歩行数でみた作業量で1/2程度に減少する(表1)。
- 冬季の整枝・剪定時間は1.5~2倍と多くなる。また、葉ずれによる傷果の発生率は全体の2~3%でやや減少する(表1)。
以上、うめの平棚栽培法は従来の方法である開心自然形に比べて、剪定に時間がかかるものの収穫作業の省力化が図られ、収量の増加や果実の大玉化が期待できるため、今後の栽培者の高齢化に向けて、省力栽培を可能とする低樹高栽培法であると考えられる。また、棚の架設費50~60万円/10aは雇用労力の節減により、3年程度で回収できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 剪定・誘引の方法はすももの棚栽培に準じて、枝抜き→枝の整理→誘引の順に実施するが、側枝や結果枝の間隔はやや狭く20~30cmとする。また、小張り線の間隔は80cm程度とやや広くした方がよい。主枝数は2本の方が3本に比べて、樹冠の拡大はやや遅れるものの形が単純化され、整枝・剪定がやりやすい。
- 結果枝の主体は2年生の短果枝であるが、この他に充実した1年生の長果枝及び3年生の短果枝も利用できる。
- 夏季剪定は上面から発生している徒長枝を対象とし、棚面が暗い場合に実施する。
- 「白加賀」について検討したが他の品種にも適応できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
うめ
省力化
すもも
低樹高
品種
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