タイトル |
根域制限育苗によるリンゴわい化栽培園の早期成園化技術 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
遮根シートを利用し根域制限育苗を2年間行ったリンゴのわい化栽培苗木では、短果枝の着生が良好で、生産性の高い大苗が育成できる。また定植後、低樹高化が可能で、生産効率が高まり、早期多収性を示す。
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背景・ねらい |
リンゴ栽培において栽培面積を拡大したり、老朽園を改植する場合には、投下資本を早期に回収することが重要である。そこで、定植当年より収穫が可能なリンゴわい化栽培苗木の育苗管理法による早期成園化技術を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 苗養成ほ場で、幅20~30cm、深さ30~40cmの溝状に植え穴を掘り、遮根シートを敷き込んだのち、わい化栽培苗木1年生樹(M.26台、長さ30cmマルバカイドウ付き)を樹間隔50cmで植え付ける。
- 植え付け後苗木は80cm程度で切り戻しを行い、その後2年間育苗する。
- 遮根シートを利用した根域制限育苗をすることにより、樹体の生育が抑制され、短果枝が多く着生した生産性の高い大苗が育成できる(表1)。
- 根域制限育苗をしたわい化栽培苗木では定植後のわい化効果が高く、根域制限を行っていない大苗に比較して低樹高化が可能で、生産効率が高めとなる(図1、図2、
表2)。
- 慣行の1年生苗木を定植する方法に比較して定植後5年間で約170%の増収率となる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 遮根シートを利用した根域制限育苗苗木を利用することにより、定植後の樹高を低くでき、早期多収が可能となる。
- 苗養成ほ場には、あらかじめ土壌消毒や土壌改良を実施し、植え穴には土壌条件に応じた土壌改良資材(ようりん、過りん酸石灰など)を施用する。
- 育苗期間中、側枝候補枝は主幹と競合するような強めの新梢であっても発出角度の広いものは残し、誘引、捻枝を行って花芽の着生を促す。また土壌の乾燥防止に努め、地力に応じて施肥を行う。
- 大苗を本ほに定植する時には、主幹延長枝や側枝候補枝と競合するような新梢や徒長枝を間引き、長く伸びた細根を丁寧にほぐす。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
改植
乾燥
栽培技術
施肥
早期成園化
多収性
低樹高
土壌改良
土壌消毒
りんご
わい化
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