くり結果母枝の夏季せん定による大粒「BIG栗」生産

タイトル くり結果母枝の夏季せん定による大粒「BIG栗」生産
担当機関 埼玉県園芸試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者
発行年度 1999
要約 くり結果母枝の夏季せん定により果粒肥大が促進され、BIG栗生産が可能になる。特に、「大峰」で肥大効果が高く、高商品化が可能である。
背景・ねらい 近年、クリは大粒で食味の良いものに対する需要が強い。一方、低樹高栽培を取り入れている生産者からは、直売などに対応できる食味の良い品種、大粒等、高品質で特徴のあるクリの生産技術の開発が望まれている。このため、「見てビックリ旨くてビックリ」するようなBIG栗を生産できる新栽培管理技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 夏季せん定法は、雄花の落花時期に結果母枝の基部から数えて雌花のついた結果枝2本を残し、その先の結果母枝全体をせん除する方法である。
  2. 各品種とも夏季せん定による果粒肥大効果が見られたが、特に「大峰」での効果が高く、2階級程度上がった(図1)。「石鎚」、「岸根」では1階級半、「国見」、「利平」でも1階級規格が上がった。「筑波」、「銀寄」は肥大効果が比較的少なかった。
  3. 現在、クリの出荷規格(形状選果)の最大は3Lであるが、更に上の階級が必要となり、33g以上40g未満の果粒をBIG栗、40g以上を超BIG栗として便宜上区分した。夏季せん定により、「国見」では超BIG栗が、「利平」、「石鎚」ではBIG栗生産が可能であった(表1)。供試品種中では大果になり食味の劣るものはなかった。
  4. 夏季せん定による果粒肥大効果は、「大峰」のような雌花数が多く、生理落果の少ない品種で顕著であるが、雌花数の少ない品種や生理落果が生じ易い品種でも認められた。
  5. 「大峰」は夏季せん定により、花(果)数、新梢数とも夏季せん定前の1/3に減ったが,果重は25%増加し、無処理区の生理落果もあり、収量は無処理区の75%になった。県内I農協の直売単価で算出すると、処理区は粗生産額が25%増えた。さらに、収穫粒数が60%になり労力の軽減が図れた。
  6. 「大峰」の夏季せん定は雄花の落花期頃の早い時期程効果は高いが、落花期後2週間以内に終えれば実用上問題はない(図2、表2)。40本/10a植えの場合、結果母枝密度は、90本/1樹程度が果粒の大きさ、収量から妥当であった。また、夏季せん定の所要時間は10~15分/1樹であリ、1日で10a程度処理が可能であった。
成果の活用面・留意点
  1. 骨格のしっかりとした、中庸な樹相の低樹高栽培樹(4.0~4.5m)を育成する。
  2. 収量および大果の単価を考慮して、品種を検討する。
図表1 216035-1.gif
図表2 216035-2.gif
図表3 216035-3.gif
図表4 216035-4.gif
カテゴリ くり 栽培技術 出荷調整 低樹高 品種 良食味

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