中生種で、黄色、良食味のりんご新品種「シナノゴールド」

タイトル 中生種で、黄色、良食味のりんご新品種「シナノゴールド」
担当機関 長野県果樹試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 りんご「シナノゴールド」は「ゴールデン・デリシャス」に「千秋」を交配し、育成したもので、育成地(長野県須坂市)では9月下旬~10月中旬に成熟する中生種である。果実の形は長円、果皮の色は黄色で、甘味と酸味のバランスがよく、果汁が多い良食味の品種である。着色管理が不要なため、省力栽培が可能である。
背景・ねらい リンゴ栽培の省力化をはかるには、着色管理が不要な黄色品種の利用が不可欠である。長野県では「王林」が栽培されているが、品種構成に占める割合は少ない。長野県での適応性が高く、良食味で貯蔵性の高い黄色品種の育成を目標とした。
成果の内容・特徴
  1. 昭和58年に「ゴールデン・デリシャス」に「千秋」を交配して得られた実生から選抜・育成した。平成11年8月11日付けで種苗法に基づいて品種登録された(登録番号第7328号)。
  2. 樹姿は直立と開張の中間で、樹勢は中、節間長は短である(表1)。短果枝の形成、花芽の着生はいずれも良好で、腋花芽の着生は少ない。
  3. 開花期は「ふじ」よりやや遅い。花粉は稔性で、他品種との交雑和合性は「ふじ」、「つがる」及び「王林」との間で相互に高い。自家和合性は認められないが、単為結果性が認められる(表4)。
  4. 果実は300g前後で大きい。果形は長円で、果皮を被う色は浅緑黄~緑黄色で、地色は黄緑色である。果面のさびはこうあ部に認められ、その程度は中である(表2)。
  5. 果肉の色は黄色で、果肉の硬さ、きめはともに中程度で、果汁が多く、蜜は入らない。甘味は中位、糖度は14~15%、酸味は中で、滴定酸度(リンゴ酸換算)は0.4~0.5%である。果肉は粉質化しにくく(表2)、室温では3週間程度、冷蔵(5℃)では3ヶ月程度の間、品質は保持される。
  6. 熟期は9月下旬~10月中旬で、「王林」より3週間程度、「ふじ」より1ヶ月程度早い(表3)。早採りした果実は酸味が強く、食味が劣る。
  7. 生理的落果は早期、後期ともに少なく、生理障害の発生も少ない。斑点落葉病に対する耐病性は「ふじ」と同程度かやや強い(データ省略)。
成果の活用面・留意点
  1. 着色管理が不要な黄色品種で、省力栽培が可能である。
  2. 寒冷な産地で生産された果実は酸味が強い傾向にある。長野県内では標高500m以下の温暖な地帯を主体に導入を図る。
  3. 収穫適期は果皮色で判断し、王林用カラーチャートで6.0程度をとする。
図表1 216039-1.gif
図表2 216039-2.gif
図表3 216039-3.gif
図表4 216039-4.gif
カテゴリ カラー 省力化 新品種 生理障害 単為結果 品種 良食味 りんご

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