タイトル |
施設トマトのセル成型苗直接定植栽培における水分管理技術 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
セル成型苗直接定植栽培における水分管理は、定植までにpF2.6程度の乾燥状態とし、定植後2週間程度は、株当たり75~125ml/日かん水する。その後第5花房開花時まで無かん水とする。第5花房開花時以降は1日1株当たり300mlを少量多回数かん水(37.5ml/回を8回/日)する。
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背景・ねらい |
トマトのセル成型苗は直接定植すると強草勢となり、収量・品質が不安定になるといった問題点があり、利用にあたっては鉢上げし、2次育苗する栽培体系が一般的である。一方、セル成型苗を直接定植した場合は、育苗管理・定植作業等の省力化が可能であり、セル成型苗直接定植栽培技術の確立が求められている。そこで、セル成型苗直接定植における初期の生育コントロールと後期の果実肥大を可能とする水分管理法を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- トマトセル成型苗の直接定植を行うには、定植時の圃場水分をpF2.6程度とする。
- セル成型苗定植直後から15日間の灌水量を75-125ml/株・日とし、その後第5花房開花時まで無かん水とすることにより、慣行苗とほぼ同程度の生育制御が可能であり、可販果収量及び正常果割合も慣行区より優れる(表1、表2)。
- 生育後期の水分管理開始(1/23)から1ヶ月後(2/26)のセル成型苗直接定植での生育は、いずれの水分管理でも慣行区と比べ草丈は約50cm程度高くなる。茎径についても慣行区と比べ太くなるが、水分管理開始1ヶ月後以降は第3花房より上段花房でその差はほとんどなくなる(表3)。
- 総収量、可販果収量、正常果割合は第5花房開花時以降37.5ml×8回/日×7日/週で水分管理することにより優れる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は促成作型に適用できる。
- セル成型苗を直接定植する圃場は雨水の浸入しない連棟ハウス内とし、定植前の夏期高温時に約2ヶ月間で土壌水分pF2.6前後となる。
- セル成型苗を直接定植すると太い直根が発達するため、第5花房開花期までの約70日間は、黒ボク土壌の場合無かん水とする。但し、砂質土壌及び地下水位の低い場所では適宜補足的なかん水を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
乾燥
管理技術
栽培技術
栽培体系
省力化
トマト
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