タイトル |
地下部コントロールによるトマトセル成型苗の直接定植栽培技術 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
トマトセル成型苗を直接定植する場合、定植時から生育初期の土壌水分をpF2.5以上に少なく管理する。土壌水分が多い(pF2.0)ときは、定植時に根鉢をろ紙で包む根域制限により、初期の過繁茂が抑えられ上物収量が増加する。施肥資材としては、被覆複合肥料(スーパーロング)の使用により上物収量が増加する。
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背景・ねらい |
トマトセル成型苗を直接定植した場合、草勢が旺盛となり、生育制御が困難で収量や品質が低下しやすい。そこで、トマトセル成型苗の直接定植栽培に適した土壌水分、根域制限、施肥資材について検討し、直接定植栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- トマトセル成型苗は、定植後に無灌水とした場合、pF2.7以上では著しくしおれ枯死するが、pF1.5から1.8と土壌水分が多いときには活着してしまうため、土壌水分による草勢調節が困難になる(図1)。直接定植栽培では、定植から生育初期の土壌水分をpF2.5以下にならないよう少なく管理し、少量灌水により草勢調節を行い、その後、草勢に合わせ、収穫開始時からpF2.3程度に管理する(図2)。
- 定植圃場は、ベット幅を狭く・高さを高く(幅40cm×高さ20cm)すると乾きやすく、定植直後から灌水による生育調節が容易にできる(データ省略)。
- 上物収量(A、B品規格)は、定植から生育初期の土壌水分を図2に示すように、おおむねpF2.5以上に少なく管理すると、土壌水分が多いpF2.0の場合に比べ増加する(図3、図4)。
- 定植圃場の土壌水分が多いときは、定植時に苗の根鉢をろ紙で包む根域制限処理により、上物収量が増加する(図3、図4)。根域制限期間は、葉中の硝酸態窒素含量の推移から、1~2週間である(データ省略)。
- 施肥資材は、初期の肥効を抑えた被覆複合肥料(スーパーロング)で上物収量が増加する(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 定植後の少量灌水は、点滴チューブ(5.5L/min/100m)を用いると、効果的に行える。
- 根域制限処理は、慣行のセル成型苗定植(7.7時間/10a)に比べ、約倍の定植時間がかかる。
- 地域農協の促成トマト規格別販売単価から算出した販売金額は、1997年度は、慣行ポット区の439万円に対し、多灌水・ろ紙区が16万円増加し、1998年度は、慣行ポット区の310万円に対し、多灌水・Mコート・ろ紙区が53万円増加、少灌水・ロング区が35万円増加した。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
栽培技術
施肥
トマト
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