タイトル |
ワサビ栽培に適する遮光率と日射量 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
日射しが強まる5~8月において、ワサビ主根茎の発達に適する遮光率は50%程度で、このような条件下の日平均日射量は 5.1~ 6.4MJ/m2となる。遮光率が30%前後では腋芽の生育が旺盛となり、70%前後では株全体の生長量が小さくなる。
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背景・ねらい |
ワサビの生産量は、水系やワサビ田ごとに大きな違いが認められる。ワサビは環境、中でも光条件に敏感な植物で、水系やワサビ田ごとの生育の違いはワサビをとりまく日射量などの光条件の相違によるものと考えられる。そこで、遮光率の異なる被覆資材がワサビの生育に与える影響を調査し、ワサビ生産に適する光条件を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 日射しが強まる5~8月における遮光率と日平均日射量の関係は、遮光率30%で日平均日射量 8.5~10.7MJ/m2 、同様に50%で 5.1~ 6.4MJ/m2、70%で 2.1 ~ 3.4MJ/m2となる(図1)。
- ワサビ主根茎の生育は、異なる遮光率で違いがみられ、5~8月における生育は遮光率50%で最も良好となる(表1)。
- 遮光率が30%と50%では、葉、葉柄、根の生育はほとんど変わらないが、遮光率30%では腋芽の生育が旺盛になり、主根茎の発達が劣る。また、遮光率70%では株全体の生長量が小さくなる。
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成果の活用面・留意点 |
- ワサビ田は、個々の立地条件にによって日照時間や光の強さなどが異なる。よって、本結果を実際の栽培に応用するためには、遮光率50%を一応の目安とし、立地条件に応じて遮光率や被覆期間等を勘案する。
- 9~10月のワサビ主根茎の生育に適した遮光率は、5~8月の遮光率より約20%低くするのが良い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
光条件
わさび
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